7月10日に投開票された参議院選挙。下馬評通り岸田文雄首相率いる自民党が勝利を収めた。これで政権は安定期を迎える。
「衆院を解散しなければ、3年後の夏の参院選まで選挙はなし。岸田首相は民意を選挙で問われないため、強気の政権運営ができます」(全国紙政治部デスク)
昨年10月の就任以来、「新しい資本主義」を唱えながらも、これといった目玉政策のなかった岸田首相だが、いよいよ自らの政策を推し進めるのではないかと、経済アナリストの森永卓郎氏は、こう言う。
「5月5日にロンドン・シティで演説したことでも分かるように、岸田さんは“近年の総理の中で、私ほど経済や金融に精通している人はいない”という自信を持っています」
金融・財政政策に辣腕を振るうつもりのようだが、「岸田首相の持論は、国家財政の緊縮と金融の引き締め政策。この種の政策が実行されるはずです」(前同)
安倍晋三氏が2012年に2度目の首相に就任して以降、継続している金融緩和政策も、方針転換される見通しだという。
「いわゆるアベノミクスですが、安倍さんの盟友の黒田東彦日銀総裁も来春、任期切れになります」(同)
後任総裁には岸田首相肝いりの“緊縮派”が据えられそうなのだ。
■増税を仕掛ける可能性が高い
加えて、増税の噂も絶えない。
「選挙のないこの3年間に、岸田首相が増税を仕掛ける可能性は高いです。ズバリ、消費税です。財務省は、政治に翻弄されやすい法人税や所得税の税率アップより、安定財源を得られる消費税率のアップを後押ししているからです」(同)
現在10%の消費税は、どこまで上がるのだろうか。