2年前の秋場所、初優勝後に、大関昇進。以来、時折、相撲ファンをドキドキさせながら、大関の座を守り続けている、正代。名古屋場所、1勝4敗から大反撃を見せた要因、プライベートまで、すべてを語った!
■『踊る!さんま御殿!!』でも話題
――最近は『24時間テレビ』他、番組出演も多数。『踊る!さんま御殿!!』(ともに日本テレビ系)で“ネガティブ力士”と話題になったこともありました。
正代(以下、正)ネガティブといわれていますけど、違います! 正直なだけです(笑)。十両昇進時に、「誰とも当たりたくない」と言ったのが発端ですが、それが本音。自分が負ける可能性のある人間とは戦いたくないし、上位になると戦いたくない力士ばかりですよ。誰かをマークしたりはしないけど、年下はやりづらい。でも、それを言い出しても、しかたないですからね。
――なるほど。先場所を振り返ると、7月の名古屋場所は、カド番で臨む苦しい場所となりました。序盤5日目を終わって1勝4敗と追い込まれましたね。
正 今、思い返しても、あのときは苦しかったですね。僕は、その場所、その場所、「自分の立ち合い」というものを大切にしています。ところが、名古屋場所は初日から、それが見つからず、迷っているうちに4敗。師匠(時津風親方=元前頭・土佐豊)にも「どう?」と心配されて、「今場所、(勝ち越しは)厳しいかもしれないです」と答えました。そしたら、「大関から落ちても引退するわけじゃないし、とりあえずケガしないように」と言葉をかけてもらって……。
■連勝の決め手となった立ち合いの際の秘策!!
――一時は、大関も諦めムードだったんですね?
正 さすがに、ネガティブになりましたね。でも、その言葉で、「もう、大関から落ちてもいいや。関脇で頑張ればいいだけだし」と切り替えられました。それなら、いつもはしない立ち合いを試してみようと思ったんです。ふだんは、思いっきり力を出そうと立ち合いで圧力をかけると、腰が高くなって、体が伸びきってしまいがちでした。そこで、6日目の大栄翔戦は、一歩だけ踏み出すけど、それ以上はぶつからない。無理に踏み込まずに、低めに相手に当たってみたんです。
すると、ちょっと押されても体が伸びきっていないから、押し込まれない。土俵際もしぶとくなり、勝ち星がついてきたことで、気持ちも上がってきました。「今場所の立ち合いは、これだ!」と、それだけをやっていましたね。ここさえ決まれば、後は自分の攻めを繰り出せばいい。そこから、連勝が続いていったんです。