3年ぶりに開催された世界のトップジョッキーが腕を競い合う「ワールドオールスタージョッキーズ」。札幌競馬場を舞台に行われた競馬界の夏のお祭りを、優勝という最高の形で締めくくることができました。

 僕がこの大会で優勝したのは、これで2度目。前回は、名称が「ワールドスーパージョッキーシリーズ」だった30年前ですから、少しだけ気恥ずかしさを感じながら、表彰台に立たせていただきました。

 2日間、4つのレースの獲得ポイントで争われるこのシリーズを振り返ると、第1戦、6番人気のメイショウツツジで勝ち、1着の30点を獲得できたことで、波に乗れた気がします。

 彼女に騎乗したのは今年5月以来ですが、体重も増え、状態も良く、レースも思い描いていた通りに運ぶことができました。

 続く2戦目は、4番人気のアサケレディ。初コンビでした。最後は、決め手のある馬にやられてしまいましたが、3着で15点を獲得。1日目を終えた時点でトップに立ち、半ば冗談、半ば本気で、「これで終わってくれないかなぁ」と思ったほどです(笑)。

 30年ぶりの優勝に黄色信号がともったのは、3戦目のレース直前でした。騎乗予定だったラブスピールが出走取り消しとなってしまい、規定によって6点となり、この時点でトップは、松山弘平騎手の56ポイント。2位が51ポイントの僕で、3位が川田将雅騎手の44ポイントです。

 さぁ、そして、いよいよ運命の最終レース――3位の川田騎手のパートナーは、1番人気のメイショウラナキア。トップの松山騎手は、11番人気のグレースオブナイル。僕がタッグを組んだのは、2番人気のカフジアスールです。

 最後の直線に入って、中団に位置していたグレースオブナイルが後退。勝負は、先頭を走る川田騎手とメイショウラナキアとの叩き合いに。かわしたときは思わず、“ヨシッ!”と呟き、心の中でガッツポーズ。

 コロナ禍にもかかわらず、当日、競馬場に集まってくださったファンの方々、そして何よりも、日本にやって来てくれた外国人ジョッキーたちには、感謝しかありません。

 来年以降も、出場するジョッキー全員で腕を競い合い、熱いレースをお見せしますので、ぜひ、期待していてください。

 このいい流れを大事にして、今週末はいよいよ、凱旋門賞に向けた、ドウデュースの戦いが始まります。

 前哨戦として挑むレースは、9月11日、パリ・ロンシャン競馬場で行われるG2・ニエル賞です。

 8月24日に栗東で再会。日本ダービー以来、その背中にまたがり、3頭併せの追い切りをしましたが、迫力のある走りは、これまでと同じ。乗っていて、うれしさが込み上げ、自然と笑みがあふれました。

 日本のホースマンの悲願である凱旋門賞制覇へ。ドウドュースとともに、確実な一歩を踏み出します。

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