早くも熱を帯び始めたプロ野球ストーブリーグ。チームを率いる監督・コーチの顔ぶれもほぼ決まり、12球団の描く来季の“青写真”も見えてきた。
「このオフはセ・パ4球団で監督が交代。注目は、やはり2008年の“メークレジェンド”以来の直接対決となる原巨人VS岡田阪神。ともに40代と若返る松井稼頭央、新井貴浩の西武と広島も、ファンの期待は大きいでしょう。パでは新球場への移転で、来季も新庄ハムが話題の中心になりそうな気はしますね」(スポーツ紙元デスク)
今回は、出そろった指揮官12人の、真の“監督力”を徹底リサーチしたい。
■桑田真澄だけが事実上の“降格”
まずは、「続投」に驚きの声が上がる巨人から。
発表された来季コーチ陣の顔ぶれを見ると、桑田真澄投手チーフコーチだけが、「ファーム総監督」として事実上の“降格”。一人で成績不振の“詰め腹”を切らされたような格好だ。
「原さんの続投は実は9月上旬の時点で決定済み。その“改革”の第一歩として中日から引き抜いたのが、リーグ屈指の投手陣を作り上げた阿波野秀幸コーチでした。ただ、自分が抜擢した手前、桑田さんを1年で切るわけにいかない。その落としどころがファーム総監督だったわけです」(スポーツ紙巨人担当記者)
だが、当の原監督が、いくら改革に積極的でも、球界は目下、深刻な人材難。もの言えぬ“原一強”体制の下では、なおさらメリットは感じにくい。
「近年は年俸も高騰していて、多くの選手は引退後の生活にも余裕がある。自ら進んで火中の栗を拾うようなマネは、誰もしたがらないのが実情です。しかも、巨人の注目度は他球団とは“段違い”。でなければ、一度ミソのついたデーブ大久保や鈴木尚広の入閣はなかったでしょう」(前同)
むろん、デーブ氏自身は楽天で監督も務めた実力者だ。打撃コーチとしての手腕にも定評はあるが、過去に暴力指導事件を起こしたことも。初のBクラス転落で正念場の原監督が命運を託すには、メンツが弱い気がしなくもないのだが……。
「デーブさんは、目上の人の懐に入るのがとにかくうまく、原監督とも親しかった。引退後も、巨人キャンプには欠かさず地元の水戸納豆を差し入れ。楽天で“オヤジ”と慕った星野仙一監督の後継になったのも、三木谷浩史オーナーの“ゴリ押し”があったからといわれる。権力者は元来、孤独ですから、原さんからすれば“愛い奴め”という気持ちから入閣させたのでは」(球界関係者)