■「大仏さんがびっくりする歌声を聞かせます」

 曲の合間には、なぜかドラムの部品をなくした川西が、ステージ上をウロウロしながら探すというフリーダムさを見せれば、ボーダーの衣装の川西を見て、「シマウマの縞は縦縞なのか、横縞なのか」という思考にハマるテッシー、4年前に行われた同会場のライブ前に訪れた奈良公園で、鹿にお尻を甘噛みされたEBIと、3人それぞれが自由気ままに、思いついたことを話す。揃いの衣装でバッチリ決めたユニコーンとは違い、私服の衣装の印象もあいまって、どこか自宅でのプライベートのライブを覗き見しているような感覚に襲われる。

 3人のユニゾンが楽しい「白くぬりつぶせ」に続いては、川西、テッシーの故郷でもある広島県呉市で10月20日、21日に開催されたユニコーンのライブの話題に。川西が決めたという意外な選曲がファンに大評判だったが、人気曲揃いのセットリストはメンバーにとっては体力を使うようで、EBIはユニコーンのライブを「エネルギーの取り合い」と表現した。

「大仏さんがびっくりする歌声を聞かせます」と手島があおって始まったのは、川西歌唱の「Body Guard」。コロナ禍以前はライブハウスをタオルが舞うのが恒例だったが、コロナ禍の着席ライブとあって、観客は心の中でタオルを掲げる。続いて「もったいない」の演奏を終えた川西は「久しぶりにやったけど、電大は楽しいねえ」としみじみ会場を見渡した。

 もちろん肝心のトークも絶好調。昨年末に呉市に帰郷し、現在は呉市在住の川西による「いつの間にか薬箱の蓋がなくなった事件」、中学時代のEBIによる「彫刻刀で削ってしまった指にお母さんがオロナインを詰め込んだ事件」など、とっておきのエピソードトークが繰り広げられ、観客は笑い声をこらえるのに必死だ。

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