■ブーイングのワケは?

 視聴率は相変わらず低空飛行を続けてるが、前回より1%上昇したうえ、「TVer」の再生回数もトップになり、盛り上がってきている。しかし、「エイジは15年間ずっと父の事件に向き合ってきたのに、父の死に関わってた桜井と猿渡は、真相を暴かれた途端すぐ自死ってズルすぎる」などの不満の声も。

 真相とは、桃井は同性愛者で、売春クラブの女性に誘われて買春し、その証拠写真がLLから署に送りつけられた。桃井に想いを寄せている猿渡は、八野衣の目撃情報を耳にすると、警察よりも先に隠れ家に駆けつけ、証拠隠蔽のために八野衣をLLとして殺して火を放ったことだ。

 桜井の買春行為は原作にないオリジナルの設定で、原作ファンから、「原作通りにしてくれれば、もっと桃井さんの幸薄さが描けたのになぁ。ちょっと残念」「桃井というキャラクターの尊厳のためにも、動機については雑な改変はしてほしくなかった」などとブーイングが。

 その一方で、「原作だと桃井さんは買春まではしてなくて、ただレズだってバラすぞって脅されてんだけど、たぶん今だとLGBTの事情的にそれを脅しのネタにするのは“良くない”か“弱い”から、よりもっともな理由を付けるために買春が追加されたのかなって、理解はできる」と、フォローする声もあった。

 視聴者の指摘にある通り、刑事の自死に説得力がなかったのは、原作を改変したせいだろう。それに加えて全9話しかない都合上、省略したエピソードが少なくなかったこともある。演者に対する評価は高かったが、急ぎ足すぎる展開が不評だった本作。残り2話でどうまとめるか注目したい。(ドラマライター/ヤマカワ)

  1. 1
  2. 2
  3. 3