日本テレビの石澤顕社長は11月28日、定例会見を行なって2023年3月をもって終了する『スッキリ』に言及した。
『スッキリ』の終了について石澤社長は「出演者、関係者のみなさまには深く感謝申し上げたい」とねぎらいの言葉を述べた。後継番組の内容などは検討中とし、編成を担当する福田博之常務は「スッキリが築いてきた財産、レガシーを大切に新しい番組をむかえたい。もうしばらくお待ち下さい」とコメントした。
「17年続いた長寿番組の『スッキリ』を打ち切るということもあり、日テレは朝の大改革を断行すると聞こえてきています。後番組の『バゲット』も同じタイミングで終了することが発表されていますが、前番組の『ZIP!』も含めて、午前中全体を大きく変えていく計画だといいます。さらに、そこには深い“戦略”もあるようですよ。
絡んでくるのは、NHKの朝の連続テレビ小説。これまで、午前8時から始まる情報番組、ワイドショーの多くが最初の15分はあきらめムードで、当たり障りのない企画やトピックを放送していました。その理由は8時から8時15分まで、NHKで朝ドラが放送されていたからなんです」(制作会社関係者)
■民放各局は「朝ドラとの戦い」を回避していた
同時間帯、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)が世帯視聴率9%前後、『スッキリ』と『めざまし8』(フジテレビ系)が5~6%という中、現在放送中のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』は16%前後と、飛びぬけて高い数字を記録している。
「朝ドラには勝ち目がない、と、民放各局は8時からの15分間をある意味で捨てていたわけです。ただ、今や民放各局が重視しているのは13~49歳のコア視聴率ですからね。現在放送中の『舞いあがれ!』も、個人視聴率で見てみると、飛びぬけて高いのは50歳以上の女性で、特に主婦層が熱心に見ているというデータが出ています。次に数値が高いのは50歳以上の男性。
逆に、20~34歳までの男性はほとんど見ていない。同じ年齢層の女性になるとやや数値は上がりますが、ほとんど誤差の範囲。つまり朝ドラをリアルタイムで楽しんでいるのは、コア層に当てはまらないシニア層がほとんどだということなんです」(前出の制作会社関係者)