僕がG1という勲章を初めて手にしたのは、デビュー2年目の菊花賞です。パートナーは、スーパークリーク。本当に強い馬とは、どんな馬か、教えてくれました。

 ゴールした瞬間、気持ちが宙に浮いたような、その勝利から25年。「G1・100勝」という、デビュー当時は想像することすらできなかった大記録を達成したのは、トーセンラーとともに挑んだ2013年のマイルCSです。

 10年に落馬事故で、左鎖骨遠位端骨折に加え、腰椎横突起骨折。その影響もあり、翌11年はG1に手が届かず、リーディング争いからも取り残され、ともすれば、挫けそうになる自分がいました。

 胸の奥に渦巻く暗雲を、一気に晴らしてくれたのが13年、キズナでの日本ダービー制覇と、トーセンラーでのマイルCS勝利だったんです。

――心が震えるような、あの勝利を、もう一度! 11月20日、阪神競馬で行われたマイルCSで、僕とコンビを組んだエアロロノア。それまで19戦6勝。17頭立ての11番人気でしたが、コース実績と体調の良さから、チャンスはあると、レース前から手応えを感じていました。

 道中は中団で脚を溜め、徐々に前に進出しながら、最後の直線で入るところで、いいポジションを確保しておきたい――。

 レースは、ペースも含め、ほぼ僕が思い描いていた通りに運びました。一瞬、「これは勝てるんちゃうか!?」と思ったほどです。

 勝ったセリフォスとはコンマ4秒差。2着のダノンザキッドとはコンマ2秒、3着ソダシとはコンマ1秒差。ここぞというときに繰り出せる鋭い脚、決め手があれば、G1戴冠の夢も遠くない、そう思わせてくれるレースでした。

 さぁ、それでは今週の騎乗馬です。暦が、また一つ進み、今週から師走の競馬が始まります。

 JRAの競馬は、中山、阪神に加え、最後の中京競馬がスタート。12 月25日の有馬記念、28日のホープフルSまで、一直線です。

 僕が予定しているのは、土曜が阪神で、日曜はG1チャンピオンズCが開催される中京です。

 このレースで僕のパートナーを務めてくれるのは、今年の交流G1ジャパンダートダービーを制したノットゥルノ。オーナーは金子真人さんで、管理するのは音無秀孝先生です。

 これまで、ジャパンダートダービーを4度勝っていますが、そのうち3度は、日本ダービーと同一年制覇。さらに、その中の1頭カネヒキリは、同じ年に日本ダービーを制したディープインパクトと同じ、金子真人さんの愛馬です。

 もう一つ加えると、カネヒキリは、この年のジャパンCダート(チャンピオンズCの前身)も制覇しています。

 ノットゥルノはまだ3歳馬。課題もありますが、馬の力を信じて乗るだけです。

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