■「ペア碁」という競技そのものの魅力にも心惹かれる!
そして本作の題材となっているペア碁という競技そのものも魅力的だ。ペア碁は男女のペア同士が4人で交互に碁を打っていくのだが、対局中の相談は禁止。つまりペアは無言のうちに息を合わせ、お互いにフォローしあう必要がある。だからこそ通常の囲碁での強さがそのまま反映されるわけではなく、組んだ相手との相性によって実力が底上げされたり、逆に足を引っ張り合ってしまったりすることもあるのが面白いところだ。
強い人同士だけでなく、強い人と初心者が組んで戦えるのもペア碁だからこそ。棋士としての実力だけでいえば対等ではないふたりが、思わぬコンビネーションを発揮することもあるという。どんな実力の人でも一緒になって楽しめるペア碁は、初心者が囲碁の魅力を知るための入り口としても最高なのだ。