■「穢れ」とは「汚れ」でも「悪」でもない

 くわえて、神社には「忌(いみ)」という言葉があります。仏教でいう「喪に服す」とか「○回忌」に近い意味合いの言葉ですね。

 これは「○親等の人が亡くなった場合、○日間は家から出てはいけない」というもので、神社にも上がってはいけない。

 ただこれも、

「同居人が亡くなったなら、あなたも疫病を持っているかもしれない。だから、しばらくパブリックスペースに来ないでね」

 というルールだったと考えられます。現代でいう「濃厚接触者」ですね。

 そして、そうした疫病を神社では「穢れ(けがれ)」といいますが、「穢れ」とは「汚れ」でも「悪」でもありません。「いつもではない」ということなんです。「いつものあなたじゃない状態=気が枯れている=気枯れ」ということです。「いつもの状態じゃないから、パブリックスペースに来るのは控えましょうね」という意味なんですよ。

 こうした神社の話を、僕はむしろコロナ禍になってからよく分かったんです。

 ということは、神社参拝を続けていくことで、きっとwithコロナの過ごし方もさらに分かってくるんじゃないかな、と思っています。

 令和5年は癸卯。水が流れて新しく変わっていく時代なので、withコロナの新たな過ごし方について、ヒントになるようなことを、僕が気付かないことも、もしかしたらあなたが気付くかもしれない。

 そういう意味でも、ぜひみなさんには神社に上がっていただきたいですね。

【プロフィール】
佐々木優太(ささき ゆうた)
神社ソムリエ、神社巡拝家。昭和59年7月7日生まれ、兵庫県出身。これまでに参拝した神社は1万以上、拝受した御朱印は4000以上。神社の歴史や文化への造詣も深く、神職や一般の方に向けた講演会活動なども行なう。最近はテレビ番組などメディアにも多数出演している。著書に『全国1万社を巡った僕が見つけた 開運!あやかり神社』(双葉社)。

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