キンプリ・平野紫耀をもっと見たい!『クロサギ』で見せた信念を持って生きる黒崎の本質の画像
※画像はTBS『クロサギ』公式サイトより

 King & Prince平野紫耀(25)主演の『クロサギ』(TBS系)は、詐欺によって家族を失った男が「詐欺師を騙す詐欺師=クロサギ」になって詐欺師たちを騙し返すやり方で立ち向かっていくヒューマンドラマ。第10話(最終話)は、とうとう黒崎と宝条との最終決戦が決着した。最強の敵・宝条(佐々木蔵之介/54)に対して命を削るように全力で挑む黒崎と、黒崎を支援する人たちの深い繋がりに涙が止まらなかった。

■『クロサギ』は人間関係を描いた最高傑作だ

 最大の敵、宝条を喰うと決めた黒崎は、宝条とつながりを持つ桂木(三浦友和/70)と決別し、孤独な闘いに足を踏み入れた。メガバンクの執行役員という社会的地位のある人間を喰うなんて無謀ともいえるが、人生をかけた命がけの勝負を陰ながら支援していたのは、詐欺界のフィクサーであり黒崎の育ての親である桂木だった。

 黒崎を殺し屋から身を守るため早瀬(中村ゆり/40)を向かわせ、氷柱(黒島結菜/25)のボディガードに白石(山本耕史/46)をつけ、すべてを把握して宝条を喰わせてあげようとしていた。早瀬は、甘味処・桂では黒崎と桂木の間に入って話を取り持ったり、ギクシャクした会話を少し離れて見守っていたのが姉のようだった。

 また、白石は豊富な経験と知識で黒崎の相談を聞いてあげたり、共闘してターゲットを喰ってあげたりと兄のような存在だった。そして桂木は、黒崎が詐欺師として成長することを誰よりも願っていた父親のようだった。6年前に家族を失い、ひとり生き残った黒崎に、自分を悪者だと認識させて復讐するさせることを、生きる目的にさせた。

 いつか自分の力を超えた黒崎にやられてしまうかもしれない、だけど今は黒崎を救いたいと覚悟を決めて育ててきたのは親心であり、愛情だといっていいだろう。黒崎が刺された病室で、見舞いに来た桂木は穏やかで落ち着いていた。黒崎の頑張りに驚いたことを明かし、成長を褒めた。「俺を殺したければ、追ってこい」そう言って頭をなでた桂木の手は大きくて、温かくて、優しかった。

 黒崎を一人前として認め、宝条を倒した後の新たな生きる道を示してくれた桂木の存在は、黒崎の中で生き続ける。桂木を追いかけるには、一生をかけることになるだろう。黒崎の旅はこれから先も長く続くのだ。いつか、その活躍を見せてほしい。

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