「ミュージカルを観て元気になってほしい!」穂月心「ミュージカルの魅力を伝える女の巻」珍談案内人・吉村智樹のこの人、どエライことになってます!の画像
穂月心

 関西に生息するアヤシくてオモロい人たちに、大阪出身・京都在住の人気ライター・吉村智樹が直撃インタビュー!

■恋に破れたOLが一念発起三十代にして女優デビュー!

 穂月心さん(50)は3本ものレギュラー番組を抱える人気ラジオパーソナリティだ。しかも、彼女の番組には一つの大きな特徴がある。『穂月心の今夜もエンタメ』(エフエムひめ)、『穂月心のエンタメ玉手箱』(新居浜FM/エフエムなよろ)、『穂月心のエンタメGOGO!』(fmGIG)と、すべての番組タイトルに「エンタメ」という言葉が入っているのだ。

 実は穂月さんはミュージカル女優。ミュージカルやステージエンタテイメントの魅力を伝えようと、ラジオを通じて語りかけているのだ。

「生のミュージカルを観た経験がないという方が、けっこういらっしゃるんです。一人でも多くのリスナーに関心を持ってもらいたいと願いながら、おしゃべりをしています」

 彼女は、なんと34歳でデビューした超遅咲き。ミュージカルに興味を持ったきっかけは、失恋だ。

「会社員だった20代の頃、半同棲までしていた彼氏と別れてしまって。心に、ぽっかり穴が空いてしまったんです」

 心の傷を癒やそうと、ひらめいたのがミュージカル鑑賞。少女期に劇団四季の『キャッツ』を観た記憶がよみがえってきたのだ。

「元気をもらおうと思って劇場に足を運びました。結果、人生が変わってしまうほど感激したんです」

 人生を変えてしまうまでに強く影響を受けた作品とは、劇団四季の『クレイジー・フォー・ユー』。1930年代のアメリカを舞台に、ダンスに熱中する青年が苦境にあえぐ劇場の再建へ立ち上がるという物語だ。

 恋を失った悲しみから立ち直ろうとあがいていた穂月さんは、現状を打破するために懸命に生きる主人公の姿に大いに感銘を受けた。

「当時、失恋だけではなく会社の仕事もハードで、毎日がヘロヘロでした。けれども、週末にミュージカルを観れば、心身ともに回復できたんです」

■“生”ミュージカルの迫力を感じてほしい!

 ミュージカルにハマり、東京や地方にまで遠征するようになった彼女。ついに、「自分自身がステージに立ちたい」と決意する。

「もう30代になっていました。遅すぎるのは分かっていましたが、“チャレンジしないと、きっと後悔する。まだ体力があるうちに挑もう”と、ミュージカルスクールを経て劇団の門を叩いたんです」

 在阪の劇団に入団したが、周囲の俳優は全員が年下。年長なのに、衆人環視のもとで叱られたり出番を減らされたりする悔しさも経験した。それでもくじけずにやってきて、現在はフリーの女優として活躍している。

「ミュージカルをインターネット配信でも視聴できる時代になりました。けれども、やっぱり生の迫力を感じてほしい。特に落ち込んでいる人に観ていただきたいです。きっと勇気をもらえますよ」

「この頃、しんどいな」と感じている読者諸兄、ミュージカルでパワーを注入してはいかがだろう。

よしむら・ともき「関西ネタ」を取材しまくるフリーライター&放送作家。路上観察歴30年。オモロイ物、ヘンな物や話には目がない。著書に『VOW やねん』(宝島社)『ジワジワ来る関西』(扶桑社)など

吉村智樹のこの人、どエライことになってます!

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