中村梅雀(撮影・弦巻勝)
中村梅雀(撮影・弦巻勝)

 昭和から今に至るまで、最も視聴者に喜んでいただけるテレビ番組って、実は刑事ドラマなんじゃないかって思うんです。

 どうしてだろう? と考えてみたところ、犯罪というものを通して浮き彫りになる、人間の心の底に刑事が踏み込んで、自白に持って行く面白さが、見てくださる人に刺さるのではないかと思い至りました。

 僕は現在『機捜235』(テレビ東京系)という刑事ドラマをやらせてもらっています。機捜(機動捜査隊)というのは、覆面パトカーで担当の地区を走りながら、強盗や殺人などの初動捜査を担当する部署。当然、犯人とのカーチェイスもあって、ハラハラドキドキも楽しんでいただけるはずです。

『機捜235』は、2時間のスペシャルとして3度放送され、この1月から連続ドラマとしてスタート。これだけ続けられたのも、非常に幸運なのですが、今回は、同じく今野敏先生原作の人気ドラマ『警視庁強行犯係 樋口顕』シリーズともコラボすることになりました。収録現場は、大変にぎやかになりましたね(笑)。

 機捜班では、僕と榎木孝明さん、原作者の今野さんが同年齢で、僕が演じる縞長とバディを組む高丸役の平岡裕太くんとは、約30歳差。そして今回からは20代の須賀健太くんも参加と、年齢差がかなりあるのですが、それほどジェネレーションギャップを感じることはないですね。

 僕ら子育て世代のキャスト同士で話が弾むのは、やっぱり子どものこと。何がはやってるとかしゃべっていると、須賀くんたちが「それ、知ってます」なんて加わってきて、話が盛り上がったり(笑)。

 今、子育て世代と申しましたが、僕も67歳にして、子育て真っ最中。僕が59歳8か月のときに誕生した娘は現在小学1年生。どんなに疲れていても、娘の顔を見ると、お父さんモードに切り替わりますね。

 一緒に遊んだり、宿題を見たり、英語の勉強の相手、ピアノのレッスンの予習復習……そうそう、今年のお正月はたこ揚げもやりました。神様が与えてくださった素晴らしい経験だと感謝しています。でも、娘が20歳のとき、僕は80歳。そこまではもちろん、できることなら、それ以上は働いていたいと思っているんです。

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