■本塁打王シュワーバーやMVPゴールドシュミットらアメリカも強力

 では、予想される実際の対戦では、どんな強打者が彼らを待ち受けるのか。

 大リーグ評論家の福島良一氏は、各国の代表入りメンバーを、こう分析する。

「中南米の選手には、総じて早打ちのパワーヒッタータイプが多い印象ですが、ことアメリカに関しては違う。主将のトラウトを筆頭に、パワーと選球眼を兼ね備えた忍耐強い打者がズラリ。目立った “弱点”も見つかりません」

 なにしろアメリカ打線は、昨季ナ・リーグMVPのゴールドシュミット、首位打者のマクニール、本塁打王シュワーバー、打点王アロンソらがひしめく重厚な布陣。一方、優勝候補一角のドミニカ共和国にも、ソトやマチャド、ゲレーロJr.らスターがそろう。

「とりわけアメリカで警戒すべきは、シュワーバーでしょうか。昨季のプレーオフでは、カブス時代の同僚で仲もいいダルビッシュからも特大の本塁打。チームでは1番に入ることも多く、相手投手に球数を放らせて出塁する術にも長ける。当たりが出始めると止まらないタイプだけに、警戒すべき選手です」(福島氏)

 ちなみに、強打マクニールの三振率10.4%は、大リーグ全体で4番目の低さ。

 メジャー1年目に新人最多53本塁打でタイトル獲得のアロンソは、メジャー4番目の得点期待値を誇る“変化球打ち”の名人だ。

「変化球の得点期待値でいえば、ドミニカのマチャドは、ジャッジに次ぐ全体2位。ソトは早打ちの中南米勢では例外的な存在で、四球率20.3%は、メジャートップ。初球ボールの通算出塁率は、驚異の5割2厘にも達します」(前同)

■鍵となるのは「高目の速球」

 ただ、我らがジャパンにも勝機は十分にある。その鍵となるのが、ズバリ「高目のストレート」だ。

 第1回大会の代表で、その後に大リーグも経験した薮田安彦氏が解説する。

「僕らが現役の頃は、いわゆる“動くボール”を低目に集めて打ち取る、というパターンが主流でしたが、野球の常で、時がたてば打者も、それには対応するわけです」

 その結果、現在では投手側が、高目のフォーシームを多投し始めたという。

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