小沢一敬(撮影・弦巻勝)
小沢一敬(撮影・弦巻勝)

 子どもの頃に麻雀を知ってから、ずっと麻雀と共に生きてきたような気がしていますし、多くのことを乗り越えてこられたと思っています。

 たとえば、麻雀では最初に牌が配られますよね。すると、ある程度できあがっている人もいれば、どうにもならない牌ばかりの人もいる。

 これって、人生のスタートとよく似てると思うんですよ。

 恵まれた環境で生まれるのは、配牌イーシャンテン、配牌テンパイみたいなもんで、もう上がりが決まってるじゃん、みたいなもの。でも、どうにもならない牌ばかりということもある。

 だけど、始めはどうにもならない牌ばかりだったとしても、5巡目には国士無双になっているかもしれない。クズ牌って言われるようなのを集めて、チートイツであがることだってできるかもしれない。

 どんな配牌でも、やりようによっては逆転できる可能性があるという考え方を、僕は麻雀から教わりました。そして、今日は負けたとしても、終わりじゃない。まだ続きがある、という考え方も。

 麻雀って人生そのものなんですよね……って、それっぽく言ってるだけのような気もしますけど(笑)。

 配られたカードと、その場の状況、そしてカケヒキという点では、ポーカーも似てますよね。僕はさまざまな業界から集まった人がポーカーで戦う『カケヒキ』(TOKYO MX)という番組でMCをさせていただいていますが、「カケヒキ」という言葉が特に好きですね。“カケる”という言葉だけでも“賭ける”“駆ける”“欠ける”“翔る”と、いろんな意味がある。面白いなぁ、と思いますよね。こういう言葉の意味、言葉遊びに興味を持ったのは、愛知県にいた10代の後半に、本ばかり読んでいた影響かもしれません。

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