■文化の違いも
とんでもない泥棒行為だが、これには文化の違いも関係しているという。
「〈私有地立ち入り禁止〉という看板を、英語、中国語、韓国語で、あちこちに立てていますが、中国では私有地という概念が少ないんですね。すべて国有地ですから、農地に入り込むことに“何が悪いのか”と言ってくる人もいます。靴裏についた細菌から作物へ感染症を引き起こす懸念もあり、農家さんも大いに困っています」(前同)
■京都では“舞妓パパラッチ”
一方、古都・京都で以前から問題になっているのが、“舞妓パパラッチ”だ。
「夕方の祇園・花見小路では、舞妓さんを執拗に追いかけたり、料亭のふすまの隙間から舞妓さんの姿を盗撮したりする外国人が、大勢いるんです。タクシーに乗り込んだ舞妓さんを、自転車で追いかけて撮影したり……。過去には、舞妓さんの着物を引っ張り、破いた事件もありました」(地元紙記者)
祇園町南側地区協議会の太田磯一さんは、悩ましい現状について、こう話す。
「コロナ明けで外国人の方が増え、舞妓さんへのパパラッチもまた増えてきました。中国はじめアジア系のお客さんが多いようですね。数年前から〈撮影禁止〉の立札を置き屋さんの玄関に掲示していますが、今年は、それに加えて〈滞留禁止〉、すなわち立ち止まらないようにします。舞妓さんにしてみれば、通りすがるお客が、すべて自分のことを撮影するわけですから、嫌なものです」
インバウンドの“お客様”とはいえ、やりたい放題は許されない。悪質なマナー違反には、毅然と“NO!”を伝えていこう。