■鉄板焼きスタイルも!

 そんな広島県と、瀬戸内海を挟んで反対側に位置する四国地方には、一風変わったご当地焼き鳥が存在する。第4位の、『今治焼き鳥』(愛媛県)だ。

「今治の焼き鳥は、串に刺さない、鉄板焼きスタイル。大量の鶏皮を鉄板にのせて、その上から“重し”と呼ばれる鉄板で押さえつけて、蒸し焼きにします。すると、外はパリパリ、中はジューシーという唯一無二の食感に仕上がって、絶品です」(はんつ遠藤氏)

■ベスト3は?ハイボールとの相性も抜群

 いよいよベスト3の発表だ。第3位は、『豚モツ焼き鳥』(東京都)がランクイン。

「戦後の闇市で、手に入りやすかった豚の内臓を串焼きにしたのが原型といわれています。その名残で、浅草などの下町の店には、今でも“カシラ”や“シロ”といった豚串のメニューが並んでいます」(塩見氏)

 焼き鳥を食べるうえで、タレ派と塩派に分かれるが、この豚モツ焼き鳥には、ぜひタレを選んでほしい。

「戦後のウナギ屋が、かば焼きのタレを転用して、焼き鳥屋を始めたという成り立ちがあり、東京の焼き鳥は甘辛いしょうゆダレが定番になりました。下町の定番“焼酎ハイボール”との相性も抜群です」(前同)

 第2位は、『上田焼き鳥』(長野県)。家庭料理としても親しまれている、上田市民のソウルフードだ。

「通称“美味だれ焼き鳥”と呼ばれていて、鶏肉の焼き鳥に、おろしニンニクが入った特製しょうゆダレを“追いがけ”して食べるのが流儀です。店により味わいも食べ方も異なり、コップに入ったタレにくぐらせて食べるタイプと、焼き鳥に直接タレをかけるタイプの2種類があります。タレ派の人は必食ですよ」(はんつ遠藤氏)

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