■リンゴを100個盗んで逮捕

 一方、体力自慢の81歳も。

「10月26日、長野県松川町で収穫前のリンゴを盗んだ疑いで逮捕されたのは、81歳の男でした。もぎ取られたリンゴは全部で100個余りで、被害額は7万円を超えると見られています」(前同)

 リンゴ1個が約300グラムとして、全部で約30キロ。それを80代の男性が運ぼうとしていたとは、驚くばかりだ。

■年金だけでは十分な生活が送れず

「日本には80歳を過ぎてなお、元気な年配者が大勢いるということですね」

 と言うのは、近著に『80歳の壁』(幻冬舎新書)がある医師の和田秀樹氏。

「なにも80歳を過ぎたからといって、暴走するわけではない。長寿を全うしているからといって、気の優しい年配者ばかりではありませんよね。若い世代と同様、ある一定数は、悪事を働く人が存在するのも事実」

 また、経済的な困窮も。

「自営業やフリーランスの高齢者は、年金だけでは十分な生活が送れないという現状があります。高齢者の中には、軽微な万引きなどの犯罪を繰り返して、刑務所に戻りたいという、気の毒な方もいます。

 政府は、健康な高齢者に対して働く機会を与えるのはもちろん、社会保障もしっかりすべきです」(前同)

 高齢化社会に無策な政府が、“暴走老人”を増やしているのかもしれない。

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