「安倍ちゃんの"高転び"が始まったんじゃないの」

好調から慢心し、足許が危うい、と自民党ベテラン議員はこう漏らし、「その元が"得意分野"だけに痛い」と声を潜めるのだが……。

「憲法ですよ。近頃は、集団的自衛権を行使できるよう、憲法解釈の変更を閣議決定しようと画策していたが、党内から"正々堂々と憲法改正すべき"という声が噴出中。長老の古賀誠・元幹事長も"自分が首相で権力者だから自分で決めるというのは、愚かな坊ちゃん"と酷評。圧倒的だった身内人気にも、陰りが見えてきています」(自民党番記者)

加えて、内閣支持率も、ついに48%まで低下(時事通信)。
5割を切った。

「さらに、4月1日からの消費税アップは、ボディブローのように効いてくる。これまで"アベノミクス効果"で恩恵を受けてきたのは、株や土地を持つ資産家や、大手企業など富裕層だけ。一般庶民に景気回復の実感はない」(前同)

消費増税で「家計への負担が重くなる」が79%、消費税の10%への引き上げは「反対」が68%(朝日新聞世論調査)――と世論は厳しい。

早くも自民党内では安倍さんがコケて、その座が空くのを虎視眈々と狙う、面従腹背というか「面従腹黒」の面々が蠢いているというから驚くばかりだ。

筆頭は、麻生太郎財務大臣。国会中継では、安倍首相が集団的自衛権について熱弁を振るう姿を眺め、後方でニンマリと緩んだ笑顔を見せている。

もう、動き始めているのだ。

国会担当記者が言う。
「布石は、法人税減税への反対です。安倍首相は、企業業績を上げるためにと法人税減税を主張していますが、麻生さんは財務省の言いなりで"それでは税収が減ってしまう"と断固拒否。そこで、安倍首相が言ったとおりに減税して、景気が上向かないと"オレの言ったとおりだろう"と言うつもり。何かと面倒の多い消費税や集団的自衛権を安倍さんに片づけさせて、次の出番を待っているんです」

もう一人が、石破茂幹事長。
安倍さんが「永遠のライバル」と敵視する彼は、ポストこそ重いが、仕事のない窓際族。
そこに転がり込んできたのが、集団的自衛権の行使に関する総裁直属機関のトップという役職。

党内反安倍派の不満をバックに「与党で議論を詰めなければ、閣議決定はできない」と主導権を握る腹だ。

目の前に難問が山積する安倍首相の横で、棚ボタを目論む腹黒コンビ。

さて、次の一手はどう打つか?

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