「温暖化の影響か、地震の前触れか……。理由はわかりませんが、地球上の生物に異変が起きているのは間違いありません。今年に入り、日本海側の各地でダイオウイカやリュウグウノツカイといった、深海に棲(す)む巨大生物が次々と打ち上げられているんです」(サイエンスライター)

この星は人類だけのものではない。
それどころか、ちっぽけな人間など足で踏み潰し、楽々と丸飲みしてしまうような巨大生物が存在するのだ。

「しかもヤツらは一撃で獲物を仕留める"必殺技"を持っており、戦闘能力も非常に高いんです」(前同)

はたして地球最強の生物は誰なのか。
そして万が一、ヤツらに遭遇した場合、人類はどう戦うべきなのか。

そこで今回は、「世界の巨大生物」の知られざる超必殺技を徹底取材。
これぞ、地球上に実存するスゴいヤツらの"最強決定戦"だ!

最初の"挑戦者"は、甲殻類代表の『アメリカウミザリガニ』だ。
日本でザリガニといえば「ああ、エビの出来損ないね」と思っている人も多いだろうが、こいつをナメてかかってはいけない。

「ハサミの長さを含めると、体長120センチにもなります。特に60センチ以上あるハサミは大人の顔よりも大きく、片方の重さは3キロを超えているんです」(生物学者)

川などに棲息(せいそく)する淡水棲の日本のザリガニと違い、こいつは海水棲でもある。

「北アメリカからカナダにかけての太平洋に分布していますが、潮の流れに乗り、日本の三陸沖で捕獲された記録もあります」(前同)

つまりダイオウイカのように、いつ日本の海岸に襲来してもおかしくないのだ。

獲物の仕留め方もスゴい。「必殺技は"二刀流アイアンクロー"。片方のハサミをハンマーのように振り下ろし、もう片方のハサミで肉を切り刻む。殺人を楽しむ海中のシリアルキラーです」(前出・ライター)

子どもの頭蓋骨を簡単に割る

こいつが襲ってきたら、どうすればいいのだろう。

危機管理コーディネーターのテレンス・リー氏に相談してみると、「とにかく背中に回り込み、羽交い絞めにすべきです。甲殻類は構造上、背中に手が回らないので、攻撃を防げます。そして、隙を見て、腕を折ってしまえばいいんです」とアドバイスしてくれた。

子どもの頭蓋骨なら簡単に割ってしまえそうなハサミを持つ、この巨大生物。
くれぐれも油断は禁物である。

お次は海水魚代表で、通称"殺戮マシーン"と恐れられる『ノコギリエイ』だ。
「最大体長6メートル、重さは400キロ。ステルス戦闘機のようなシャープなボディを持つ、巨大なエイです」(前出・生物学者)

主な棲息地は大西洋、太平洋、インド洋などの、比較的浅い海というが、「日本でも近年、南西諸島で巨大な個体が捕獲されていますからね。ダイビングをする方が襲われる危険は十分あります」(前同)

もしヤツに見つかったら最後。
1メートル半を優に超える巨大ノコギリ角(ヅノ)を振り回して襲ってくる。その必殺技は、"ノコギリラリアット"とでも呼ぶべきだろう。
「威力も半端じゃない。ノコギリの部分には硬くて鋭い歯が何本もついており、一撃で致命傷になります。実際、ノコギリラリアットを食らったイタチザメの死骸が見つかることも多い」(前同)

前出のテレンス氏も「正面から戦いを挑んで、こいつに勝つのは無理」と、戦う前から戦意喪失ぎみだ。
「もう"電流爆破デスマッチ"に持ち込むしかない。電線と爆薬を付けた餌を垂らし、ヤツに食いつかせて、爆破させるんです」
邪道だが、生き残るためには、これしかないのだ。

むろん、我々の住む陸にもスゴいヤツらが存在する。

なかでも哺乳類(ほにゅうるい)代表の『ヘラジカ』は要注意だ。

個体は最大体長3・2メートル。
肩の高さは最大2・3メートル、体重は900キロ……。

最大の特徴は、その幅が2メートルを超える巨大な角だ。
「こんなのに踏みつけられ、角で襲われたら、人間なんてイチコロですね」と語るのは、『日本一やかましい動物図鑑』などの著書がある、お笑い芸人・アンタッチャブルの柴田英嗣氏だ。

ちなみに頑丈なことで有名な自動車メーカー・ボルボは、初期段階から車とヘラジカとの衝突を想定して開発しているという。
言い換えれば、普通の乗用車では吹き飛ばされるほどの威力を持っているのだ。

「ヘラジカは草食動物ですが、トラやクマも手を出せない。襲ったら、大きな角の一撃で返り討ちにされるだけ。背後に回っても、後ろ足で強烈なソバットを食らわされます」(前出・サイエンスライター)

どこにも隙がないように思えるが、柴田氏いわく、「唯一の弱点は、喉から垂れている肉ダレ。そこをつかんで背負い投げを決めれば、なんとかなるかも……」

さて、こうした巨大生物の中でも、"世界最強"との呼び声が高いのが、爬虫類(はちゅうるい)代表の『コモドオオトカゲ(通称コモドドラゴン)』。

棲息地は「コモド島とその周辺の島々」で、シカやウシ、さらに巨大なゾウといった巨大哺乳類も食い散らかす"肉食恐竜"だ。
「世界最大のトカゲで、体長3メートル、体重120キロ超。しかも獲物を見つけるや、猛スピードで追いかける敏捷性もあり、現地では人間が襲われて、行方不明になることも」(前出・生物学者)

そんなコモドオオトカゲの必殺技は、"失血噛みつきホールド"だ。
「口内にヘモトトキシンという、血液の凝固を阻止する物質の含まれた毒性のある唾液を分泌させるんです。その口で噛(か)まれたら……血が止まらず、体が動かなくなるため、食われてしまうんです」(前同)

こんなヤツを倒すことなどできるのか。
だが、前出のテレンス氏は「人間の知恵と勇気があれば勝てる!」と断言する。
「爬虫類の場合、いちばん強いのは尻尾なんです。しかも両目が横についているから、背後や横からの攻撃には対応してきます。だから、恐れずに正面から戦うのです。あらかじめ太めの棒を用意して、ヤツが口を開いた瞬間、喉の奥に突き刺す。ひるんだ隙に、首根っこを踏む。爬虫類は首を踏まれると動けなくなる習性がありますからね」(前同)

噛まれる前に倒してしまうことが必要なのだ。
かように、脅威に満ちた野生の世界。
いざという時のためにも、普段から巨大生物の知識をためておいても損はなさそうですな!

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