好調狙い馬予想 薮中泰人
本格化フィエロに新星の期待



今週から舞台は京都、東京へと替わる。
幕開け重賞は東西ともGⅠの前哨戦だ。

まず京都のマイラーズCは安田記念の前哨戦。
新星誕生の期待を込めてフィエロを抜擢する。

デビューが3歳の7月と遅く、その後も4度の休養をはさんでキャリアはまだ8戦。
それでいて「5111」の素晴らしい戦歴だ。
デビュー戦は既走馬相手に勝ち、休養をはさんで目下3連勝中。
前走は初昇級でオープン特別も制した。

所属の藤原英厩舎はオープン馬の宝庫。
じっくり育て上げることでも知られているが、成長に合わせた起用法がフィエロの場合にも吉と出ている。

デビュー時は後脚が甘く、レースでは、ときに引っ掛かり、内にもたれる若さがあったが、それもキャリアを積むごとに解消。
前走など中団後ろから持ったままで上昇。
直線はまっすぐ坂を駆け上がっての完勝だった。

騎乗した藤岡佑も「他馬とは脚が違ったね。大きなところを狙える馬です」と絶賛していた。

レース面だけではなく、馬体面の成長もすごい。
デビュー時が498キロで、前走が512キロ。

もともとあかぬけた馬体をしていたが、重量感に、柔らかさが加わり、後脚の甘さも薄らいできた。
本格化を感じさせる中間気配である。

舞台となる京都マイルでは、2走前に1分32秒8で快勝したが、前日の京都金杯とコンマ3秒しか違わなかった。
その後の上昇度を加味すれば重賞でも勝負になっていい。
新星誕生の可能性はかなり高いだろう。

同じディープ産駒で楽しみな馬はもう1頭、オースミナインだ。
重賞初挑戦で連対したのが、今年の京都金杯。
この馬の素質も相当なものだ。

今回は4か月弱での出走になるが、レース2週前時点で坂路追い切りが3本。
仕上げやすいタイプであり、鉄砲が利く。
京都の外回りマイル戦は桜花賞を4連覇したディープ産駒にマッチする舞台。
フィエロとのディープ産駒ワンツーを勝負馬券としたい。

東京で行われるフローラSはオークスのトライアル戦。
桜花賞をパスして、オークスに狙いを絞った関東馬のマジックタイムが優位に立つが、関西馬の注目はハピネスダンサーだ。

5戦して「2120」の堅実駆け。
牝馬にしては馬体重が460キロ台で安定していて使い減りがない。
調教も常に先着するほど気持ちが前向きだ。

2勝はいずれも2000メートル戦で、父メイショウサムソン譲りの、先行して粘っこい脚質。
権利を手中にしそうだ。
(日刊ゲンダイ大阪記者)

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