7年総額約161億円の大型契約を結んで、名門ヤンキースの一員となった田中将大投手。

昨シーズン、24勝0敗と驚異的な成績を残した田中だけに、メジャーでの活躍が期待される。

「4月4日のブルージェイズ戦に初登板し、見事初勝利。立ち上がりこそバタついたものの、徐々にペースを上げていく投球術はさすがです」(スポーツ紙記者)

2度目の登板では7回10奪三振。
勝ち負けはつかなかったが、圧巻は4月16日の3戦目。
マリナーズ相手に8回無失点、10奪三振の快投で2勝目をマークした。

「辛口で知られる現地メディアも"宝石のように輝く投球"と称賛。メジャーでも十分やっていける実力を持っていることは、全米中が認めています」(前同)

今や日本だけでなく全米から注目される投手となったマー君。
活躍ぶりとともに、その交友関係にも注目が集まるようになっているが、取材を進めるうちに、世間で知られる人間関係とは、大きく異なる実態が明らかになってきた。

その筆頭がレンジャーズのダルビッシュ有投手だ。
WBCでチームメイトになって以来、田中がダルを慕う「師弟関係」とも言える仲で、ツイッター(簡易ブログ)でフォローしあっていることも有名。

しかし、このところ二人の間にすきま風が吹いていると言われる。
「事の始まりは、昨年11月、AV女優の成瀬心美と田中がツイッター上でやりとりをしたことです。記者が"(成瀬と)知り合いですか?"と聞いたところ、田中は"もちろん、ないですよ。ダルさんじゃあるまいし"と即答したんです」(夕刊紙記者)

かつてダルビッシュは、人気AV女優・明日花キララとの交際が噂されていた。
田中にしてみれば、これを受けての回答だったのだが、「スポーツ紙でこの件を知ったダルビッシュが、自分をバカにしたような発言をした田中にブチ切れてしまった」(前同)

ツイッター上でも次のようなダルビッシュと田中の"攻防"が繰り広げられた。

ダル《マサオ完全天狗だわ》
田中《申し訳ありませんでした…。》
ダル《もう絶縁よ》
田中《それだけはご勘弁を》
ダル《もう世界のまさお。か。。》
田中《何を仰るんですか》

一見、仲良し同士の"じゃれあい"に見えなくもないが、この後の田中に対するダルビッシュの対応が実に辛辣だったのだ。

今年2月、ヤンキースへの入団が決まり、大型契約を結んだことについてコメントを求められたダルビッシュは、「ヤンキースは少し彼に払い過ぎかな」と発言したのだ。

これがメディアに大きく取り上げられ、ダルビッシュは、「あれは冗談だった」と釈明をせざるをえなくなった。

「あれは明らかにダルの本音だね。2年間、2ケタの勝ち星を挙げ続けて、サイヤング賞争いの有力候補と言われるダルよりも、アメリカで1勝もしていない田中の年俸のほうが高いなんて、面白いはずがない」(スポーツ紙デスク)

今や、ともにメジャーの第一線で活躍する二人の立場は誰が見ても同等。
かつてのように"後輩イジリ"を続けるのは明らかに不可能で、二人のギクシャクぶりは必然かもしれない。

「そもそもタレントの里田まいと結婚した田中は、大の愛妻家。女子プロゴルファーやAV女優、女子アナなどと浮名を流した"艶福家"のダルとは、ウマが合うはずもありませんよ」(女性誌記者)

ダルビッシュとは冷戦状態になったようにも見える田中。
だが、彼には、より面倒なチームメイトがいるという。
イチローのことだ。

ハンカチ王子とは今もメル友

イチローは、田中のヤンキース入団に対して、「ヤンキースがどんなオファーをしたかということよりも、このオファーを受けたことへの覚悟と自信に敬意が払われるべきだ」と、コメントした。

エールというよりもむしろ、「7年総額約161億円なんてオファーを平気で受けるからには、相当の覚悟と自信があるんだろうな」という"皮肉"とも取れる。

こうしたイチローの言動に対して球団側も警戒しているという。

『夕刊フジ』で健筆を振るう野球記者の江尻良文氏は、「目立つために後輩をイジる傾向があるイチローは、田中にとって目障りな存在と言えます。多額のカネを払って獲得した田中に気持ち良くプレーしてもらって結果を出させることが、球団にとっての最優先課題。その一環として、イチローをトレードに出したほうがいいとヤンキース首脳陣も考えているんですが、年俸が高すぎて、引き取り手がない。困ったことです」と、ため息をつく。

キャンプでの初顔合わせ以来、田中とイチローはあまり会話を交わしていないように見えるのも、球団側の配慮だという。

「実は二人の関係を危惧した球団首脳が、故意に田中とイチローのロッカーの位置を遠く離したと、もっぱらですね」(NY特派員)

一方、球団側が遠ざけようとしているイチローとは対照的に、あれこれと田中の面倒を見ているのが、同じ投手の黒田博樹だ。

「田中は、黒田というお手本が同じチームにいて、本当に良かったと思いますよ。黒田は面倒見もいいし、メジャーでどのようにやっていけばいいかというノウハウも持っている。田中にとっては生きた教科書のようなもの」(前出・江尻氏)

黒田は広島時代、速球を投げ込む力投タイプだったが、メジャーに移って、完全に打たせて取るタイプに変化した。

「田中にとっては、いまだに三振にこだわっているダルビッシュよりも、黒田のほうが投手としていい手本になる。黒田は田中にとって理想のチームメイトと言えますね」(前同)

最後にもう一人。

田中との人間関係を語るうえで避けられないのが、日本ハムの斎藤佑樹との仲だ。
高校時代はライバルと目された二人に大きく差が付いてしまったのは周知の事実。

「田中にとって斎藤なんて眼中にない、と見られがちだけど、二人はいまだにメル友で仲がいいんだよ」と、衝撃的な事実を暴露するのは、スポーツ紙のベテラン記者。

「田中が坂本勇人や前田健太らとテレビ出演することはあっても、斎藤と出演することはないので不仲と見られがちだけど、今でもメールのやりとりは続いているみたいだよ」(前同)

そもそも田中が「マー君」と呼ばれるようになったのは、高校時代に斎藤が日米親善高校野球の記者会見で、お互いに「佑ちゃん」「マー君」と呼び合っていることを暴露したことがきっかけ。

「ヤンチャなガキ大将タイプの田中と、理知的でしっかり者の斎藤は性格が違うからこそ、合うんじゃないかな。だからこそ田中は、戦友であり、親友でもある斎藤の現状を誰よりも憂いているみたいだよ」(同)

親友同士がメジャーの大舞台で投げ合う……そんな日が来ることを待ち望む気持ちはプロ野球ファンより、実は田中と斎藤の二人のほうが強いのかもしれない。

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