いま日本各地で、さまざまな生物の異常事態が続出している。

山形県の天童市では、近年カラスの数が増加。春先には電柱に作られた巣によって停電が頻発しており、昨年度には8件、3600戸に影響が出た。市は巣の除去を頻繁に行なっているが、とってもとってもあとかた巣が作られ、カラスと人間のイタチごっことなっている。除去した巣は1998年には778個だったが、昨年度は7463個と10倍近くに増加。近隣の市のごみ分別が徹底しているなど、生育環境の変化がカラス増加の原因と見られている。

同じく大量発生しているのが、農作物の害虫であるアブラムシだ。群馬県は野菜、果樹、花の汁が吸われ、ウィルスを媒介する危険もあるとして、4月23日、県内全域に注意報を出した。原因は春先に気温が高く雨が少なかったためと考えられ、アブラムシの飛来数は平年の5倍になるという。

気象の変化で異常事態が起きたのが昆布だ。青森県八戸市では、漁港近くのコンブやワカメが大量に枯れ死。3月下旬頃から白く枯れるものが目立ち始め、4月以降にはワカメがほぼ全滅。コンブも2/3近くが枯れ死にしてしまっているという。原因として考えられるのが、今年の大雨や大雪によって大量の水が海に流れ込み、水質が変化したこと。ここまでの被害を受けたのはこれが初めてだと、地元の漁協関係者は語っている。

こちらも水質の変化が原因なのだろうか? 兵庫県は大阪湾で捕れたアサリから、麻痺性貝毒が検出されたとして、二枚貝を捕らないよう呼びかけている。この貝毒はエサのプランクトンによって蓄積され、人が食べると手足のしびれや麻痺、下痢などの症状を引き起こす。海中のプランクトンが原因だけに予防のしようがなく、一度発生したら貝から毒が抜けるのを待つしかないという。

ダイオウイカやリュウグウノツカイに続き、またも深海生物が水揚げされた。高知県の室戸岬沖で、まだ生態に謎の多い深海魚、ホテイエソがなんと105匹も定置網に入っていたことが確認された。ホテイエソは水深120〜180メートルの海に住み、全身は黒く長いあごひげの先に発光器を持っているのが特徴。もちろんこれだけの数が捕獲されたのは初めてだ。

これら生物の大量発生は、自然界からの我々に対するメッセージなのだろうか?今後も注目していきたい。

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