07年12月14日午後7時頃、長崎県佐世保市のスポーツクラブ「ルネサンス佐世保」に、フルフェイスのヘルメットを被り、上下の迷彩服を着た男が乱入した。手に散弾銃を持った男は、ホールで発砲したのを皮切りに、プールサイドで人々に乱射し始める。

そのとき、プールで小学生を指導していた水泳コーチのMさん(26)は、生徒を誘導して事務室に避難しようとしたが、男に先回りされ、至近距離から銃弾を浴びた。さらに、ロビー近くで犯行を阻止しようとした、クラブに見学に来ていた男性・Fさん(36)も数発の銃弾を食らう。2人は、すぐに病院に搬送されたが死亡。死亡した2人以外にも、男が放った計11発の銃弾で、大人4人、女子小学生2人が被弾し、重軽傷を負うという大惨事となった。
「捜査線上に浮かんだのは、無職の馬込政義容疑者(37)。容疑者は発砲後、車で逃走したが、現場から4km離れたカトリック船越教会の敷地内で、首から血を流している姿で発見され、警察は自殺と断定しました」(地方紙記者)

事件は当初、無差別殺人かと思われたが、その後の警察の捜査で意外な事実が判明する。
「馬込容疑者は、数年前から同施設の会員で、Mさんに一方的な恋愛感情を抱いていたことがわかったんです。犯行時も、ほかの人には目もくれず、Mさんを執拗に狙っている。Fさんを射殺した動機は、止めに入ったFさんに激高したせいと警察は断定しました」(前同)

この事件をきっかけに、銃規制の不備が指摘され、翌年、銃刀法が改正されることになった。

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