5月1日、川崎市多摩区宿河原の多摩川河川敷で、散歩中の男性が体長約1メートルのニシキヘビを発見した。男性は110番通報をし、駆けつけた警察官2人が木の枝を使うなどして捕獲。その後、報道で捕獲を知った都内の男性が、一時的に引き取ったという。

多摩川ではそれまで生息していなかった外来生物が発見されることが多くなってきている。なぜ最近になって増えているのか? 多摩川で見つけられた外来生物を預かる「おさかなポスト」を創設した、山崎充哲さんに、話を聞いてみた。
「外来生物のほとんどは、ペットが捨てられたものですね。大きくなって飼えないとか、狭い家で買うより広い多摩川で育ってほしいとかの理由で捨ててしまうんですよ」

また多摩川には下水処理場から水が流れ込んでいるため、水温が高めのスポットがいくつかある。そのため低水温に弱い熱帯の生物でも、生息することができるのだ。
これまで多摩川で見つかったのはグッピーやエンゼルフィッシュなどの熱帯魚から、凶暴なピラニアや南米産のアリゲーターガーに1メートル以上のカミツキガメ、さらに河原ではヤギや羊まで見つかっているというから驚く。危険な生物も多いので、もし多摩川でこれらを見つけても、不用意に手を出さないほうがよいだろう。
「外来生物はそこにもともと生息する生物の生態系を壊してしまいます。多摩川の自然を守るためにも、飼い主の方たちにはペットを多摩川に捨てるようなことはやめていただきたいですね」(前出・山崎さん)
“タマゾン川”などと言って、面白がっている場合ではないのだ。

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