「あの人の目は本当に怖い……。一瞬でも目が合ったら、どんな芸人も背筋が凍る、と言いますからね」と語るのは、某バラエティ番組のディレクターだ。

お茶の間に笑いを届けるバラエティ番組の裏で、恐怖の大王として君臨する男がいるという。
それが、明石家さんま(58)だ。

「『笑っていいとも!』の最終回スペシャルでも、ダウンタウンの浜田雅功が、さんまの口にガムテープを貼るという一幕がありましたけど、あの時も大変だったそうです」(芸能ライター)

事前に松本人志が浜田に、「ガムテープで、さんまさんの口をガーッとやれば?」と提案すると、「そんなんできひん、怖い、怖い、怖い……」と浜田は連呼し、必死で拒否。

結局、本番ではやってのけたものの、「芸能界の大御所でも平気でドツく"暴君"の浜田が、あそこまで畏怖するなんて……。さんまが本当に怖い証拠ですよ」(前同)

視聴者は知らない「本当は怖い明石家さんま伝説」の中で、まず、最も恐れられる「さんまの目」について、お笑い評論家のラリー遠田氏がこう説明する。

「ある若手芸人に聞いたところ、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)でも、さんまさんはトークをしつつ常に場を見ていて、ひな壇にいる芸人に"おまえ、次イケるか?しくじるなよ"とばかりにアイコンタクトを送るそうです。"その時の目が、とにかく怖い"と話していましたね」

ナインティナインの岡村隆史も以前、「さんまさんと目があったらイカン!」と、ビビっていたという。
「一度、自分からアイコンタクトを送り、さんまさんにトークを回してもらったのに、途中でネタを忘れる大失態をしでかしたとか。すると、"俺の番組を潰す気か!"と激怒され、岡村は今もその時のさんまさんの目がトラウマになっているそうです」(構成作家)

眼光一つで岡村クラスの芸人も縮み上がらせるとは……。
また、さんまといえばしゃべ喋りだしたら止まらない"トークの鬼"だが、真の鬼となる瞬間があるという。

「ウーマンラッシュアワーの村本大輔が『さんま御殿』に出演したとき、さんまさんのトーク中に隣の出演者と喋っていたんです。その途端、さんまさんは鬼の形相で、"俺が回しているときに何喋ってんねん!"とマジギレ。村本は顔面蒼白に。現場も、その迫力に一瞬にして静まり返ったそうです」(前同)

さらに、さんまが怖いのは、相手が子役であれアイドルであれ、常にハイレベルな笑いを要求することだという。

「6歳の頃に『あっぱれさんま大先生』(フジテレビ系)で共演していた内山信二も当時、"おまえの話はオチがない"と何度もダメ出しされて、相当、絞られたようです」(テレビ誌記者)

旬のアイドルにもボロカスに説教する。

「リアクションの取り方、話の回し方、さらに、同じ言葉を繰り返して三度目にオチをつける、さんま師匠が得意な"三段オチ"の方法も本気で教えるんです。あまりにも厳しい口調で教育するので、"私にはできない!"と泣き出すアイドルも少なくないんですよね」(前出・ディレクター)

テレビ東京への"出禁"宣言!

もう、おわかりだろう。
さんまが恐れられる本当の理由は、笑いを取ることに恐ろしいほど"こだわり"があるからなのだ。

「かつて、さんまはテレビ東京に対し、"こっちから出入り禁止や!"とラジオでブチかましたことがあります。というのも、当時、お色気番組『さんまのサタデーナイトショー』を立ち上げて絶大な視聴率を誇っていたのに、テレ東が"局のイメージに合わない"と言って打ち切りにしたんです。さんまが怒るのはわかりますが、タレント自ら"出禁"を宣言するなんて考えられない。笑いに命を捧げた"お笑いモンスター"の所業です」(芸能ライター)

なぜ、さんまはモンスターとなったのか。
前出のラリー氏はこう説明する。
「さんまさんはいい意味で"若手芸人の心"を忘れていない。若手は出番が少ない分、"何がなんでも前に出るぞ"とがっつく。それと同じ。サッカーでいうと、ベテランの選手が、ずっとFWとして最前線に立ち続けているようなもの」

笑いを取ることが自分のすべて。
それを邪魔するヤツとは徹底的に闘う。
まさに、お笑いの神に魂を売った男だが、そんな彼も58歳という年齢を気にしている。

一時期、"60歳で引退する"と宣言。
それは若手に席を譲りたい気持ちからだった、と明言している。

だが、ラリー氏はこう言う。
「僕は引退すべきでないと思います。社会全体に言えることですが、今は子どもを叱れない親、部下を叱れない上司が増えています。今の若い世代は叱られると、すぐ拗ねたり逆ギレするので、叱れない。しかし、さんまさんはお笑い界のために自分が責任を持って、叱り飛ばしているんです。それは怖いのではなく、お笑い芸人への愛情の裏返しなんですよ」

「本当は怖い明石家さんま伝説」。
その裏にあるのは、お笑い界を、そしてこの国をより良くしたいという、先達としての熱い想いなのかもしれない。

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