この5月で運用7年を迎えた「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」。親が育てられない子どもを匿名で受け入れるシステムだが、運営する熊本の慈恵病院に昨年寄せられた電話相談の件数が、前年の1.4倍と急増していたことがわかった。

慈恵病院によると11年度には690件だった件数は12年度には1000件へ増え、さらに13年度には1445件へと増えたという。要因としてはまず長年運用してきたことにより、一般の認知度が高まったこと。そして昨年放送されたドラマ「明日、ママがいない」や、赤ちゃんポストを紹介するドキュメント番組の影響が考えられる。「明日、ママがいない」に関しては、放送当時、さまざまな物議をかもしたが、結果的に赤ちゃんポストの認知度を上げることになったようだ。

また相談件数が増えた一方、預けられる赤ちゃんの数にも変化が起きているという。10年に18人だった赤ちゃんだが、11年には8人、12年には9人と、相談件数と反比例するように減っているのだ。相談をすることによって問題が解決し、赤ちゃんを預けずにすむようになった女性が増えたのだろう。相談窓口が上手く機能した、喜ばしい結果といえる。

子どもを養育できない、望まない妊娠をしてしまった、そんなお母さんたちの受け皿として、赤ちゃんポストは発足した。当時は賛否両論いろいろな意見が出されたが、結果的に問題解決に機能しているのは間違いない。今後、慈恵病院では相談窓口のスタッフを増やし、対応を強化する予定だという。

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