競馬新理論 井崎脩五郎
名前からして男まさり



1970年以降のダービー馬を見ると、ダービーに至るまでに2か月以上の休養を、2度以上取っていた馬が6頭いる。

これらはいずれも、ダービーで大きな変わり身を見せた。年代の古いほうから順に、ダイナガリバーは皐月賞10着からの大変身。

ミホノブルボンは、距離不安を一蹴する逃げ切り勝ち。

ウイニングチケットとジャングルポケットは、皐月賞4、3着からの巻き返し。

ウオッカは、実に64年ぶりの牝馬優勝。

そしてロジユニヴァースは、皐月賞14着からの一気浮上だった。

これらはいずれも、ダービーに至るまでの休養が2回だったのだが、2回であれほどの変わり身を見せるのなら、3回休養を取っているこの馬は、どれくらい変わるのか。そういう期待を抱かせるのがレッドリヴェールだ。

デビュー戦のあとの3戦は、いずれも休養を取っての出走。今回も桜花賞から7週間と、十分なレース間隔を取っている。これは、牝馬ウオッカがダービーを勝ったときと、まったく同じ。

桜花賞のとき、レーシングプログラムの「馬名プロファイル」を読んでいたら、英文学者の柳瀬尚紀さんが「Reveur(レヴェール=夢見る者)は男性形。あえて男性名詞を名乗る男勝り」とお書きになっていた。その向こう意気の強さが男馬相手でもモノを言いそうだ。


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