5月17日午前4時半頃、新潟県津南町の半戸喜光さん(74)の畑で、150kg分のアスパラガスが刈られているのを発見し、新潟県警十日町署に通報した。被害額は15万円相当。一生懸命育ててきたものを横取りされた悔しさは、いかばかりか。振り返れば近年、このような大量盗難が頻発している。同様のケースをいくつか振り返ってみると、以下の通り。

相次ぐ農作物の窃盗事件
2007年6月
・山形県の畑から収穫直前の高級サクランボ約350kgがもぎ盗られた。サクランボの被害例は多いが、この案件は被害額が約100万円にも上る。

2009年10月
・リンゴの窃盗事例も数多い。青森県鰺ケ沢町では、3500個のリンゴが盗難(約22万円相当)。所有者が台風の警戒をしている最中の出来事だった。さらに昨年は、山形県長井市で5600個のリンゴがなくなる被害が起きている。

2011年12月
・青森県三沢市でブロッコリー約360個(3万6000円相当)被害。またこの年、ブロッコリーを盗まれた農家が「ブロッコリー盗んだ人旨かったか」という立て札を出し、それがカッコイイとネット上で話題になった。

2013年5月
・茨城県筑西市の農家でビニールハウス7棟から出荷間近のスイカ約700個が盗難に遭った。そして今年、桜川市でも700個(50万円相当)のスイカが盗まれている。

2013年9月
・新潟県阿賀野市の水田にて、1トンものコシヒカリ(約27万円相当)が大胆にもコンバインでごっそり刈り取られた。

上記は増長する畑泥棒の一端でしかない。昨今は、高値で売れる中国への輸出用に盗みをはたらく、日本人や外国人窃盗団も存在しているという。当然ながら、これらの事件に対して農家も無策なわけではない。自警団、夜間巡回はもちろん、赤外線センサーや振動感知型センサーの導入も増えているそうだ。村への出入口付近にテントを設け、不審車に目を光らせるなど、村ぐるみで対策を講じているところもある。

こうした涙ぐましい努力により、被害を抑える効果は出ているはずだ。しかし残念ながら、その網の目をくぐり抜け、イタチごっこ状態であることも事実。大量盗難の根絶に向け、農家の人たちのみならず、地域全体で対策を強化していくべきだろう。

本日の新着記事を読む