歌舞伎町案内人 李小牧が暴く! 日本人は知らない 中国ニュースの裏側


日本では大人も子供もLINEに夢中だ。だが、中国人はなぜかほとんど関心を持っていない。それは、先んじて中国人向けに作られた中国版LINEが猛スピードで普及したからだ。

その名は「微信(ウェイシン)」。英語で「WeChat」と呼ばれるこのアプリは、スタートしてからたった3年弱で登録ユーザー数が6億人に達したという。無料通話や無料チャットなど、機能はLINEそっくり。「また中国のパクリだ!」と怒る読者諸兄がいるかもしれないが、実は微信のスタートは11年1月、LINEは同じ年の6月である。

中国のソーシャルメディアといえば何と言っても微博(ウェイボー)だったが、その影響力を恐れた中国政府が締め付けに乗り出してから、以前の勢いが失われつつある。そこで、中国人ユーザーが向かったのが微信という訳だ。

ただ、このアプリの利用法としてはあくまでチャットや通話が中心。「閉じたSNS」なので、発言や写真が爆発的に広がる微博のような影響力はない。だから、SNSがきっかけの反政府デモを恐れる中国政府にとって、微信が流行するのは実はかなり都合がいい。

ご多分に漏れず、微信は出会い系サイトとしてもその「実力」を十分に発揮している。出会い系サイトを使ってセックスすることを中国語で「約炮(ユエパオ)」と言う。「約束して砲撃する」という、何ともそのままな言葉なのだが、この約炮が女子高生の間で流行して社会問題になっている。ねずみ講のような投資詐欺も横行しているが、その連絡手段として使われるケースもある。

微信ではチャット機能も人気だが、中国人はせっかちなので、スマートフォンの画面で会話の文字を入力するより、ボイスメッセージを使う方を好む。だから今、北京や上海に出張に行くと、街角でスマホを口につけてブツブツしゃべっているちょっと不気味な中国人をたくさん見かけるだろう(笑)。

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