これまで、日本の発展の一翼を担ってきた建設業界。「ドボジョ」と呼ばれる土木系女子労働者の活躍などが様々なメディアでも取り上げられ、クローズアップされる一方で、大きな問題点も見逃せない。若い人手が不足し、高齢化の波が押し寄せているのだ。

公共事業をはじめ、建設投資の低下により、フレッシュな人材は減少の一途。総務省の建設業に関する統計によると、この12年間で55歳以上の比率は23.9%→34.3%に増え、29歳以下は19.6%→10.2%と大幅に下降してしまった。これは、他の業種と比べても、看過できない深刻な数字である。

都内某所の現場で働く38歳の作業員は「これからどんどん暑くなりますが、若い人ってけっこうバテるの早いんですよね。年輩の人の方が長くやっていて規則正しい生活もしているせいか、体力がある気がします」と語る。確かに、経験則もあり、体力的にも問題がなければ、ベテランが重宝される面もあるのかもしれない。とはいえ、将来的に考えると、若い力はやはり必要だ。

また、地域によっては、求職者数に対して1割程度しか働き手が集まらないこともあるといい、東日本大震災復興、東京オリンピックの工事に向けても暗雲が立ち込めている。

外国人労働者の増加採用も含め、対応策が検討されているが、額に汗して仕事することの重要性を認識して、建設技術のスクールや就業訓練を実施している地方自治体もある。政府、企業などが一体となって、根本的な方策を実行していってもらいたい。

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