メディアなどで取り上げられ、いま話題になっている「ドボジョ」。漫画でも、建設業界で働く土木女子=ドボジョを描いた作品が大人気だ。現場仕事に女子? 大丈夫? とついつい思ってしまいがちだが、華奢な体に作業着をまとい、炎天下の現場で汗だくに。うなじに張り付く乱れ髪……。男性に混じって一心に働く姿は、どこかグッとくるものがあるのだ。

国土交通省と建設業界団体は、女性の技能労働者や技術者を5年以内に倍増させる計画を決めた。建設業界の技能労働者のうち、女性の数は9万人と全体の3%程度(2012年度)。これは製造業の30%、産業全体の22%と比べても少ない数字だ。

この計画の策定にあたっては、やはり建設業界の人手不足問題も大きいと思われる。外国人労働者の受け入れなどの提言も聞かれるが、言葉の壁や法律の問題といったハードルもあり、すぐには難しい。

一方、女性にとっては、男性中心の建設現場でのトイレや着替えなど、切実な問題もある。また、山の神に触れるとして、林業では女性をタブーとする概念も存在し、そういった考えを持つ職人は少なくないという。

建設業への女性増加の見通しについて、当編集部では、国土交通省に直接聞いてみた。

――5年で2倍にするという理由は?

「今後、就労人口の減少や高齢化が進む傾向があります。特に建設現場では、人手不足が深刻化。今後は若い労働力確保と、男女に限らず優秀な人材を確保するということの数値目標です」

――具体的にはどうやって女子を増やすのですか?

「専門学校や大学、職業訓練校などの建設科目に女子学生が増えています。そういった意欲のある人材が入ってきやすいように、女子トイレや更衣室を設置し、現場環境の改善をしていく予定です。女性中心のモデル工事なども官民で計画。この夏にかけて、具体的な女性確保のアクションプランを作成します」

――女性が増えると、メリットはありますか?

「女性ならではの目線。特に、造園やインテリアといった分野でいい成果が見込めると期待しています。また、女性が建設現場にいると、雰囲気が和やかになって仕事がはかどるという現場の声もあるのです。女性が増えることによって、キツイ仕事というイメージも拭えるのではと期待しています」

さらに、工業大に通う学生のA子さんにも話を聞いた。

「実家が地元で建設会社をしているんです。父親の勧めもあって、工業大学の土木学科に進みました。地盤改良の勉強をしています。災害対策で役に立ったり、建造というモノ作りは、やりがいがあります」

北川景子似で165cmのスラッとしたスタイル。街ですれ違う男性が振り返るほど目を引く彼女が、現場で作業服でドロドロに……。なんか、カッコイイ。

「現場実習では、男子に混じって作業服にヘルメット(笑)。ホコリやドロで顔がすすけてしまうし、日焼け止めを塗っても汗で流れてヒリヒリなんですよ」

彼女のような「ドボジョ」が増えれば、建設業界も活気づくことは間違いない。

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