データ予想 須田鷹雄
急成長中マジェスティハーツ



エプソムCは一見力量差のない「GⅢの常連」が出てくるイメージがあるが、実際の出走馬相互の間には確たる差があるようで、実は波乱になりにくいレースである。

過去10年、出走全馬の単複を均等買いした場合の回収率は単43%・複57%。標準的な数値が75~80%だから、これはかなり堅い重賞ということになる。1番人気馬の回収率が単97%・複118%と優秀である点からも、堅い傾向が読み取れる。

前走成績を切り口にしても「堅い」という結論は変わらない。前走オープン1~3着馬の好走確率が高く、それ以下との差が大きい。前走10着以下だった馬は過去10年「00154」と、1頭も連対していないのがわかる。

前走4~9着馬の巻き返しがあるとしたら、前走時点で人気になっていたことが前提となる。

昨年と一昨年はともに前走4~9着馬が勝っているのだが、そのクラレントとトーセンレーヴはともに前走2番人気。前走で人気にもなっておらず、かつ着順もパッとしなかったという馬では話にならない。

今回、前走で重賞連対を果たした上でエプソムCに臨むのが新潟大賞典2着の◎マジェスティハーツと中日新聞杯勝ちの○マーティンボロだ。

前走2着馬を1着馬より上に取ったのは理由がある。前走人気は◎が2番人気で○は10番人気。ともにハンデGⅢで斤量は◎が55キロで○は54キロだった。◎のほうが、今後に向けてより確信が持てる好走だったということである。

もう一つ、◎は成長力のあるハーツクライ産駒である点も魅力だ。なにしろ昨年のエプソムCで2着だったジャスタウェイが、今では世界最高レーティング馬である。軌道に乗ったハーツクライ産駒は追いかけてみる価値がある。

▲には人気でメイSを勝ってきたスピルバーグを置く。1年以上の休養を挟むなどして回り道をしてきた馬だが、1番人気1着を3戦続けて重賞の舞台に帰ってきた。

その3走はいずれも上がりが33秒台。ディープインパクト産駒らしい決め手を誇る。良馬場ならその決め手が生きる。

★にディサイファ。こちらは同じディープインパクト産駒でも速い上がりが使えない馬で、ハイペースの消耗戦向き。▲とは真逆のタイプだが、展開次第では▲を逆転する可能性も十分ある。


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