先日、中国外務省が「従軍慰安婦問題を世界記憶遺産に登録申請する!」とぶち上げると、韓国外交省の高官がすかさず、中国と連携する姿勢をアピールした。来月、習近平国家主席が韓国を訪問するが、両国は最近、特に外交の舞台で「タッグ」を組む場面が目立つ。

もともと中国は、同じ共産主義国家である北朝鮮を支援してきたが、今から20年以上前に韓国と国交を樹立。それ以来、貧しい北朝鮮を尻目に経済成長を続ける韓国との関係を強めてきた。日本という「敵」の存在も、中韓の「恋」を燃え上がらせるうえで格好の材料になったはずだ。

ただ、政府同士の関係がよくても、国民もそうとは限らない。中国人は、日本人が思っているほど韓国人を好きではない。

中国の自動車市場では最近、韓国車がトヨタや日産に迫る勢いでシェアを伸ばしている。北京や上海に行けば分かるが、こういった都市の街角ではヒュンダイが本当に目立つ。たった人口5000万人の国が、13億の中国より偉そうな顔をしている……大国意識ゆえの嫉妬なのだが、韓国人の側にも非がない訳ではない。

今から10年ほど前、韓国企業は北京五輪開催が決まった中国に先を争って進出した。低賃金の中国人を工場で雇い、安い製品を作って輸出で儲けるためだが、その後、中国経済にちょっと陰りが見えると、彼らは先を争って中国から逃げ出した。

中には正式な手続きも取らず、従業員の給料を踏み倒して夜逃げ同然で撤退した企業もある。韓国企業が多く進出していた山東省青島市で、彼らとビジネスをしていた私の友人も、
「奴らはすぐ逃げる。本当に無責任だ!」
とカンカンになって怒っていた。

もちろん、こういった例だけで韓国を断罪することはできない。韓流ドラマが大好きな中国人もいる。だが、最近やたら「中韓タッグ」に猜疑心を強くする日本人も、中国人が韓国人にこういう感情を持っていることを知っておいて損はないだろう。


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