「うなぎプロジェクト」とウナギ養殖の投資話で出資を募ったとして、消費者庁が「ライトオンサプライ株式会社」(東京都中央区)の社名を公表し、消費者に注意を呼びかけた。
同社の手口は浜松市でウナギの養殖事業を行っていると説明し、ウナギの完全養殖の研究事業に1口10万円での出資を勧誘。高齢者らの自宅に資料を送ったうえで、担当を装って電話をかけ「水産庁も支援している」などウソをつき、レターパックで現金を払わせてていた。全国の消費者庁への相談は今年の3月から8件あり、北海道の70代女性が300万円の被害にあっている。

ニホンウナギは今年6月に国際自然保護連合により絶滅危惧種に指定され、将来的に絶滅の可能性が高いとされている。養殖ウナギの場合、稚魚であるシラスウナギを捕獲して育てるのだが、漁獲高は減少しており、特に昨年はウナギの値段が高騰した。幸い今年はシラスウナギが豊漁で、来年以降はウナギの値段も元に戻りそうだが、減少傾向にあるのは変わらない。
そのためさまざまな研究機関でウナギ養殖の研究がすすめられており、2010年には水産総合研究センターで人工孵化したウナギを成長させ卵を産ませる「完全養殖」を実現。現在、コスト面などざまざまな課題はあるものの研究は進んでおり、環境庁は2020年頃には実用化できると発表している。
もし完全養殖が実現すれば、お手頃な値段でウナギが食べられるうえ、上記のような"ヌルヌル詐欺"もなくなるだろう。今後の研究に期待したい。

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