今年になってクマ出没のニュースが続出している。今月21日には島根県で男性が妻と帰宅中に自宅玄関前でクマに遭遇。驚いた熊に襲われ、右肘や右頬に軽傷を負った。最近のニュースで多いのは、このように人が住むエリアにクマが現れるケースだ。これにはクマの分布域が拡大していることが原因と見られている。
ジャパンベアネットワーク(JBN)が行なった平成23年から3年間かけての調査によると、北海道ではヒグマの、本州でもツキノワグマの生息分布域が拡大しているという。中には人間の生活空間ギリギリまで拡大した地域も見られ、JBNでは自治体などに早急なクマ対策を求めている。
クマの出没には、主食であるブナの実の実りが大きく影響する。豊作であれば生まれる子グマの数も多くなり、必然的に人間が遭遇する機会も多くなるのだ。昨年は豊作だったため、今年の出没数は増加することが予想される。
またクマに遭遇するのは冬眠前にエサを探し求める秋に多いイメージがあるが、実は繁殖期である夏も活発に移動するため、事故は意外と多い。分布域が拡大していることもあり、人の多いハイキングコースやキャンプ場に現れる可能性も高い。これからの時期、釣りやキャンプで山に入る時は、身を守るためにも、クマ鈴を携行するなど十分な対策が必要だろう。

本日の新着記事を読む