写真:「Boycott Guangxi, Yulin dog meat festival」Facebookページより


犬肉バトルが国家を揺るがす?

中国では犬肉を食べる文化がある。この事は日本人の間でも比較的有名だが、犬の食文化を巡り、中国内部で大規模な問題が起こっている。

何と愛犬家らが決起し、中国の伝統行事に重大抗議。このままだと国家規模の大論争に発展する可能性が出てきたのだ。

問題となった伝統行事というのは玉林市で開催されている『玉林ライチ犬肉祭』。1995年から行われている歴史ある祭事だが昨今、「犬肉祭は動物虐待だ」という声が広がり、祭りは大混乱に陥っているのだ。

「夏至に犬肉とライチを食べる祭りです。問題なのは“本物の犬肉"を証明するために祭事中に生きている犬を料理…つまり、その場で殺す事。当日は実に1万頭の犬を料理するのです。ネットが普及するまでは、ごく当たり前の光景も今では愛犬家が黙っていない。祭りでは愛犬家と“中国の食文化だ"とする擁護派が掴み合いの喧嘩にまで発展しています」

と、中国事情に詳しい全国紙記者が目を白黒させながらレポートする。

年々、愛犬家の活動が拡大し、各地の犬肉祭が廃止若しくは縮小傾向。11年には600年も続いていた金華市の『金華湖犬肉祭』も廃止を余儀なくされた程だ。
「愛犬家と擁護派のバトルは殺人事件に発展する可能性もある程です。先日の『玉林~』では抗議に来た愛犬家に主催者側が“抗議するならここにいる犬を買え、そうでなければその場で犬を殺す"と恐喝。それに対し、愛犬家側は“犬肉を料理するなら、お前たちの家族がまともに暮らせないようにしてやる"と反撃する等、一触即発なのです。中国人は感情が前面に出るので殺人事件がいつ起こってもおかしくありません」(前出・全国紙記者)

80年代、日本でもブームになった中国犬・チャウチャウはそもそも食用犬。犬を食するのは中国文化なのだが愛犬家は「犬肉を食べるのは残酷。これは時代の変化だ」と文化そのものを否定。一方、犬肉文化擁護派は「愛犬家が犬肉を食べないのは自由。だが、われわれに干渉するな」とこちらも強気の姿勢を崩さないのだ。

このままいけば、中国全体での重大テーマになりかねない。犬肉を巡り、中国共産党の強権が発動される事も十分に考えられる様相なのだ。

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