ムササビやトビトカゲなど、空を飛ぶ生き物は数多い。それらは羽状のものを使って揚力を得て飛んでいるのだが、羽どころか腕もなにもつかわず、見事に空を飛ぶ生き物もいる。東南アジアに生息するトビヘビがそれだ。

トビヘビは体を左右にくねらせながら空を飛ぶが、その距離は30メートル以上におよぶ。体をS字状にくねらせるだけでなぜ飛べるのかは長らくわかっていなかったが、アメリカ・バージニア州のバージニア工科大学の研究者、ジェイク・ソーシャ氏が3Dプリンターで作ったオブジェクトで実験をしたところ、十分な揚力を得られることが判明した。ポイントは頭を上、尾を下にして体を25度の状態に保つこと。そして体をS字状にし、くねらせることで揚力が生まれるというのだ。今後、研究が進み、トビヘビが飛ぶ仕組みがさらに解明されれば、将来的には飛行機などに応用される可能性もある。とはいえ、今のところトビヘビの飛行術はまだまだわかっていない点が多い。まさしく"謎の飛行物体"なのだ。

ちなみにヘビが飛んで襲ってきたらたまったものではないが、幸いなことにトビヘビのほとんどは毒を持っていないのでご安心を。

空中を滑空していくパラダイストビヘビ

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