現在、日本を混乱の渦に陥れんとするほどの異常事態が起きている。

「鼻が曲がるほどの臭いと作物の実害をもたらすアイツらが大量発生するなんて、悪夢だよ……」(埼玉県内の農家の男性)

大いなる災いをもたらさんとする主は、カメムシ。

今年6月に入ってから、東京、栃木、群馬、埼玉、広島など多くの都県で大量発生。
多い所では、その数が例年の9倍に上り、注意報が出されているのだ。

6月10日に注意報を発令した埼玉県病害虫防除所に話を聞いてみると、
「4月1日から6月初旬にかけて調査をしたところ、寄居町のヒノキで平年の3・8倍、久喜市のナシでは実に8・2倍のカメムシを確認しました」

気になるのが、その原因。
一部では、この夏に過去最大規模で発生すると予報されるエルニーニョ現象が引き金とも言われているが、
「好物のスギの実が少なく、エサとなる他の作物を求めてきたことが原因との可能性が高いです」(科学ジャーナリスト・大宮信也氏)

たかがカメムシ、と思う向きもあるかもしれないが、実は、尋常ならざる被害をもたらす害虫なのである。

たとえば、埼玉県ではナシの生産が盛んだが、
「カメムシは甘い蜜を好むため、すでにナシにストロー状の口管を差し込み、蜜を吸っている可能性も。すると、その差し込んだ周辺は成育しないため、デコボコの実になり、売り物にならないんです」(前出・埼玉県病害虫防除所)

日本人の主食である米も彼らの好物で、カメムシが食した後には大きな黒い斑点ができ、これまた商品にはならなくなるという。

また、カメムシといえば悪臭も轟いており、
「あんな異臭が9倍なんてことになったら、外出規制だってあり得ますよ。以前、テレビ番組の実験でカメムシを密室空間に閉じ込めたところ、自らの異臭で死んでしまったほど強烈なんです」(夕刊紙記者)

そして最大の懸念は、カメムシは"天災をもたらす"との伝承があることだ。
「カメムシが大量発生した年の冬は、大雪に見舞われると言われています。ここ数年はさまざまな異常気象が続いていますから、今年は日本中が大雪に埋もれるかもしれません」(前同)

折しも、世界的な異常気象、エルニーニョの予報が出されたばかりで、その奇妙な符合に背筋が寒くなるが、ただただ"悪い虫の知らせ"とならないことを祈るばかりである。

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