今月10日厚生労働省は、「野生鳥獣肉の衛生管理に関する検討会」を開き、シカやイノシシなど狩猟対象の野生鳥獣肉、いわゆるジビエによって起きる食中毒や感染症を防ぐため、秋までに国としての指針を策定するという。

現在厚生労働省のホームページでは、牛や豚のレバー同様、ジビエは「中心部まで火が通るよう」「よく加熱して」食べることを推奨している。とはいえ、現状としてシカの肉やレバーを刺身で提供しているジビエの店はよく見かける。

野生動物を生で食べると、いったいどのような危険があるのだろうか。

まず豚のレバーの生食でも懸念されるE型肝炎(HEV)や寄生虫の危険だ。
E型肝炎は、症状のでないことも多いが、発熱、悪心、腹痛や肝腫大などが認められることもあり、劇症化するケースもあるので注意だ。特に妊婦や子供、老人の感染は命に係わることもある。

また、シカなどは解体過程で、牛の生レバーと同様にO157、サルモネラ、カンピロバクターなど食中毒を引き起こす細菌が付着する危険性が高い。
しかし、こうしたリスクもしっかり火を通すことで回避できるそうだ。

牛レバーの禁止に継ぎ、これまで放置されていた豚レバー、ジビエの生食も見直されようとしている。

危険とはわかっていても食べたい「生派」としては、これから研究が進み、生でも美味しくいただける未来がくることを望んでやまない。

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