100万円もするデジカメが納期2カ月待ちという人気だそうです。
その人気カメラは、「ペンタックス・645Z」というモデル。
お値段もそうですが、画素数(※画像の解像度を表す数字。高いほどきめ細かく細部まで写せる)はなんと5140万画素。キヤノンのアマチュア向けハイエンド一眼レフ「イオス5D mark III」が2230万画素で約34万円ということを考えると、画素数も値段もケタ違いということがわかります。
さらにISO感度(※どれくらい光を集められるかの指標)もモノすごくて、20万4800!
なんかピンときませんが、昔おじさん達がフィルムカメラで写真を撮っていたときのフィルム感度はISO100が標準でしたので、デジタルとフィルムという違いがありますが、当時に比べて2048倍も光を集められる計算になります。軍隊で使われている暗視スコープも真っ青の性能ですね。
実際どれだけ画質の違いがあるのか、ちょっと検証してみましょう。
風光明媚な渓谷を645Zで撮影してみました。(撮影:吉村和敏氏)
その写真を、擬似的にスマートフォン付属のカメラ(800万画素程度)の画質まで落としたもの。一見、何か違うの?って感じ。
そこで同じ写真の右上にある東屋をアップにしてみました。645Zでは、瓦の枚数、柱の大理石の質感、屋根のてっぺんにある模様、背景の木の枝の本数まで数えられます。クドいようですがコレ、望遠レンズじゃありません。
スマートフォン画質の写真だと……さすがに細部はつぶれちゃってます。
100万円の実力はおわかりいただけたでしょうか?
消費税の上がった今、巷では納期待ちの645Zを挙げて「景気回復か?」なんて話してます。そりゃフツーの人はデジカメに100万円も出せないですからねえ。
余談ですが、実はこの645Z、フィルム時代から数えて30年もの歴史ある銘機なんです。
6×4.5cm判の中判フィルムが名前の由来である「645シリーズ」は、高精細を要求されるプロや、解像度を重視する風景写真家などのハイアマチュアにはおなじみの、欠かせない『道具』でした。
そんな人たちが「買い替えないでもう少し様子を見ようかな」ってならないってことは、ちょっとは世の中明るい見通しがたってきた……んだったらいいですね~。
写真提供:リコーイメージング株式会社
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