山の中のコンビニに、
三人の少年がたむろってました。
「これさ、新作のゲームなんだよ」
「これは、新発売の身体にいいお茶」
「閉店する直前に来ると、おにぎりとかがさ、けっこう割引してるんだぜ」
三人は、コンビニについて、いろいろなことをよく知っていました。
「アイスを買って海に行こうよ」
一人が言いました。
「いいよ、でもボクは、海を見たことがないんだ」
「黙ってたけど、実は、ボクも海を見たことがないんだ」
「本当かい? それはなんて残念なんだ、それじゃ今から三人で海を見に行こう」
そうして、三人は海へ向かいました。
「あ、あそこに見えるのが、海じゃないのか?」
「違うよ、あれは湖だよ」
しばらく歩いていると、また一人が言いました。
「今度こそ、あれが海に違いない!」
「違う違う、あれは、川だよ」
それから更に何時間も歩いて、やっと三人は海の見える小高い丘の上に到着しました。
「ほら、これが海だよ」
「へぇ~、海って白い泡みたいなんだね」
浜辺に寄せてきては、白い泡となりサーッと消える波を見て、一人が言いました。
「違うよ、あれは波っていうんだよ」
「それじゃ、あそこに浮かんでるのが海なのかい?」
一人が、沖に浮かぶカヌーを指差して聞きました。
「違う違う、あれはってカヌーいうんだよ」
「だとすると、どれが海なんだい?」
海を見たことのない二人が聞きました。
「ここから見える全部が海なんだよ」
「どこからどこまで?」
「見えてる全部だよ」
「全部ってぜんぶ?」
「見て分からんヤツには、言うても分からん」
三人は、丘の上でコンビニで買ったアイスを食べました。
「山で食べても海で食べても、アイスの味は変わらないね」
「つまんないから、山のコンビニに帰ろう」
「そうだね」
というお話をぶちかましてみました。
知識がないと、見てるものがまったく違うものとして見える!
または、同じ場所でも、人によってまったく見てるものが違う(もともと価値観が違ってるから)
というお話ですね。
仕事をしてても、遊んでても、いつもこんなことばかりが起こってるのに、気がついてるかな~?
その「違い」こそが、アイディアの種なんです!
先週まで、いい加減な読書を説明して、簡単なアイディアの出し方、組み合わせ方をやってきました。
これから、やっかいな映画鑑賞(いろんな映像表現を含む)に進むんだけど、
忘れちゃイケナイのが、
「楽しむために観るんじゃない、勉強のために観る」ですね。
なんたって、映画は面白いんだもん!ついつい観ちゃうだよね~
それに、ぜーんぶ見せてくれて、何にも考えなくていいんだから、楽チンなんだもん。
だからね、
この楽チンなのが、映像ものの一番悪いところなんです。
もちろん、映画側には、何の罪もございません。
観る側に問題があるんです。
年間に100本以上観る人と、5、6本しか観ない人、賢い人、考えない人じゃ、見えてるものが全然まったく完璧に違うんです。
それは、前述の物語で、よく分かるよね。
情報量は多いけど、具体的すぎて楽チンな映像から、どうやって効率良く効果的に、味や匂い、アイディアの種を拾うのか?
コラムを書き始めた頃にも言いましたね。
いい加減な読書で「分かりたい病との、壮絶な戦い」を説明しました。
映画を観るのも、同じですね。
それでは、いい加減な映画鑑賞の始まり始まり~
てなことで、また来週!
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