不動産バブルなど懸念されている中国経済の崩壊に続き、建物の物理的な“崩壊”も現実味を帯びてきた。改革開放以降の80年代から90年代に建てられた建築物の多くが、倒壊の危機を迎えているというのだ。これは1978年、鄧小平により、計画経済から市場指向型の経済へシフトしたことがきっかけと言われている。従来の質より量体質に儲け至上主義の考えが加わり、数多くの手抜き物件が建てられたのだ。こうした住宅物件は全体の2割以上を占めており、人民は倒壊に怯えながらの生活を強いられているのが現状だ。

そんな中、黒龍江省チチハル市公安局の庁舎が22日午後15時(現地時間)頃、突然、崩壊した。
インターネットにアップされた動画には、投稿者が車で市の中心部にある公安局付近を走行中、突然建物が崩れ落ちる様を撮影。公安局は建物を取り壊している最中で、安全管理の下で行っているとしている。しかし爆破音もなく、交通規制も行われておらず、現場に工事担当者らしき人もいなかったため、市民から「事故ではないか」と疑問視する声が上がっている。庁舎はすでに使用されていなかったため、ケガ人はいなかった。

今回はどうやら局の告知ミスにしか過ぎないようだが、前述のように欠陥、手抜き工事が原因で、前触れもなく突然の建物の倒壊が起こる可能性は否定できない。現地に赴く時は、用心したほうがいいだろう。

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