現在、深刻な社会問題となっている脱法ドラッグを、7月22日、警察庁と厚生労働省は「危険ドラッグ」と"改称"すると発表した。

脱法ハーブや合法ドラッグと呼ばれてきた薬物は、人体に影響がなく、安全であるかのような印象を与えて販売されていたが、実際にはほとんどの薬物が違法成分を含んでおり、凶悪な事件、事故が相次いでいた。

「6月24日には、東京有数の繁華街・池袋の人混みに、脱法ハーブを使用した男が運転した自動車が突っ込み、1人が死亡し6人が重軽傷を負う惨事に発展。事故直後の男は、よだれをたらして受け答えもできない"廃人状態"で、世間に強烈なインパクトを与えました」(全国紙社会部記者)

しかし、これは一例に過ぎず、こうした事故がほぼ毎日発生。しかも、宮城、愛知、東京の板橋区、北区、大阪など日本全国で起きる事態となっているのだ。

ここで気になるのが、数年前から流行していた薬物が、なぜ、最近になって事故を多発させているかということ。

裏社会ジャーナリストの上野友行氏が、その理由を次のように話す。
「10年くらい前に登場したこの薬物は、違法を逃れるために少しずつ成分を変え、今やガソリンやセメントすら含むものもあって、売っている当人たちすら"覚醒剤や大麻より怖い"と言っていますよ。覚醒剤は成分が純粋ですから、どの程度使ったらどうなるかと予測が立つ。しかし、危険ドラッグはどんな代物に当たるかわからないうえ、ヤバいのに当たったらアウトですからね」

上野氏によると、池袋の一件も、そうした"ヤバイもの"が引き起こした事件の可能性があるという。

「男の周辺を取材しましたが、彼は脱法ハーブを何度も吸っていたそうです。それで、いつもどおり大丈夫と思って車に乗りながらやったと思われますが、その際に使用したハーブが良くなかったようです」

問題は大きくなる一方の薬物問題。日本社会の更生はできるのだろうか。

本日の新着記事を読む