今週は「ジブリ、製作部門解体へ」という話題に注目したい。

まずこういう記事が出た。

《日本の映画歴代興行収入1位の「千と千尋の神隠し」など数々のヒット作を世に送り出してきた「スタジオジブリ」(東京都小金井市)が、製作部門をいったん解体する方針であることが4日、分かった。鈴木敏夫代表取締役プロデューサー(65)がジブリの株主総会で明言した。》(産経新聞 8月4日)

このあと「鈴木敏夫さん「解体」説否定」という記事が朝日新聞で報道される。

《「一部報道で『解体』とか言われているが、要は(アニメの)作り方を変えるということ」と語り、「解体」説を否定した。また、宮崎監督とは「短編を作ろうという話をしている」と明かした。》(朝日新聞デジタル 8月7日)

私が注目したいのは「仕掛け人・鈴木敏夫」である。

「ジブリ解体?」の話題とはまったく別に、今週はそもそもジブリが話題の中心であるからだ。というのは今週発売された週刊誌「アエラ」で鈴木敏夫は特別編集長を務めている。アエラにとっては秋元康の特別編集長号に続く第2弾。

ほかにもある。8月3日のドキュメンタリー番組「情熱大陸」は「鈴木敏夫」だった。

この番組のなかで、鈴木が株主総会で「ジブリの製作部門を解体する」と発表するシーンが放送された。ジブリの株主総会は6月27日。つまり一ヶ月以上経って「情熱大陸」で情報解禁された。そして翌日が鈴木敏夫・特別編集長の「アエラ」発売。いずれにしてもジブリにさらに話題と注目が集まる週になるのは間違いない。ついでに「思い出のマーニー」も。

このメディアを巻き込んでいく鈴木敏夫の手法。私はいつも新間寿を思い出す。元・新日本プロレス営業本部長であり、アントニオ猪木の片腕的存在。「過激な仕掛け人」と呼ばれ、さまざまな夢の仕掛けを実現した新間寿。対モハメッド・アリ戦もタイガーマスク誕生もこの男がキーマンだ。

新間寿に猪木がいるように、鈴木敏夫には宮崎駿がいる。猪木も宮崎も「自分に夢中すぎる」天才だが、自分を支える天才的な仕掛け人がいたことが共通だ。

一方で鈴木も新間も「自分の仕掛けを上回る才能を宮崎・猪木が持っている」という信頼があったから最強の軍師になれたのだと思う。

今後の見どころは、鈴木敏夫が宮崎駿の尻をいかに叩いて「思い出のハヤオ」にならないよう阻止するかだろう。宮崎駿とは「短編を作ろうという話をしている」らしい。仕掛けに注目だ。
 

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