7月にアメリカ、カリフォルニアのギャラリーで行なわれたオークションに出品され、1万370ドル(約105万円)で落札された糞の化石(糞石)に、偽物の疑いがかかっている。
問題の糞石は約600万年前のものと見られ、くねくねした形状で長さは1メートルある。ワシントン州南西部で発掘されたもので、同地ではこれまでも同様の糞石が発掘されており、太古のカメやワニ、哺乳類などが残したものと見られていた。しかし専門家の中には、これらの糞石は、見た目こそ似ているが、実際はまったく違うものだとする声も多い。ウィットマン大学の古生物学者、パトリックスペンサー氏によると、過去に糞石といわれるものの内部を調べたところ、菱鉄鉱という鉄分を多く含んだ鉱物だけだったと発表している。本当に糞石であるならば、骨や植物、消化されなかった食物の破片などがあるはずなのだ。
またその形状にしても、炭化した木の幹の内部に堆積物の圧力によって押し込まれた粘土が、歯磨きチューブのように押し出されて形成されたのではないかと推測している。
実際の糞石には、それを排泄した動物が生きていた頃にどんな物を食べていたかの大きなヒントが詰まっており、学術的にも非常に貴重なものだ。本来、オークションに出品されるようなものではないだろう。
ちなみにギヤラリー側は糞石は本物であると主張しており、もし落札者が品物に満足できない場合は返金に応じるとしている。

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