かつて夏のテレビCMといえば、蚊取り線香の最大手メーカー・キンチョーの蚊取り線香だった。

この蚊取り線香、前述のキンチョー(金鳥)ブランドを展開している大日本除虫菊、アース製薬、フマキラーといった大手メーカー以外に、和歌山県有田市には30を超える小零細メーカーが点在し、地場産業となっている。

そしてこの“蚊”に関連して、実に驚くべきニュースが飛び込んできた。そのニュースとは、国立感染症研究所が調査したところによれば、昨年(2013年)新宿区の敷地内で調査したところ、871匹のヒトスジシマカが採取され、2003年の調査開始以来、過去最多を記録したという。

そもそもこのヒトスジシマカは、東京には生息していなかった種類の蚊なのだが、地球温暖化にともなってその生息域を北上させ、ここ近年、東京でも当たり前のように見かけるようになったのだという。

そして、このヒトスジシマカがやっかいなのは、東南アジアや中南米で流行している感染症「デング熱」のウィルスを媒介する蚊だからだ。この「デング熱」は、高熱や頭痛、発疹などの症状が出るが、通常は一週間ほどで治まるのだが、まれに鼻血などの出血が止まらなくなり、重症化するという。そして問題なのは、この「デング熱」には、治療薬が存在しないことだ。

加えて注意しなくてはならないのは、「デング熱」を媒介するヒトスジシマカには、蚊取り線香の効果がない、とされる点だ。

とはいえ、そうした一連の状況は、大手メーカーにとってみれば、ビッグビジネスチャンスともいえる。

ヒトスジシマカ対応の殺虫剤の開発、販売に成功したならば、その殺虫剤は間違いなくヒット商品となるだろう。
害虫駆除業界の株価には注目しておきたい。


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