「世界最大の歓楽街」マカオってどんなところ!?の画像
「世界最大の歓楽街」マカオってどんなところ!?の画像

ごく普通のサラリーマンである柏木アキラは、「イカサマ師」のエイジと出会い、「人を見抜く力」を見出される。自称詐欺師を成敗する詐欺師「義賊(グリフター)」エイジはアキラを刺激的な「ギャンブル詐欺師」の世界へと巻き込んでいく――。新感覚痛快サスペンスコミック『自称義賊詐欺師(グリフター)アキラ』。その舞台ともなった「東洋のラスベガス」マカオ、そのディープな魅力に迫る!

『自称義賊詐欺師(グリフター)アキラ』1・2巻 各¥600(税抜) 双葉社
 

欲望が渦巻く街の「飲む打つ買う」

「飲む打つ買う」とは、男の三大欲望であるグルメ、ギャンブル、セックスを表す言葉。これらすべてをマカオ(澳門)は満たしてくれる。

香港と隣接する半島に位置するマカオは、かつてはポルトガル植民地だった。1999年に中国へ返還されてからは特別行政区として扱われている。

この街が欲望を満たしてくれる最大の理由は、ここが世界有数のカジノ都市だからである。

2006年には、カジノ売上がアメリカのラスベガスを超え、約8400億に達したことで、世界最大のカジノ都市となった。

この街には、ホテルとカジノが併設された「カジノホテル」が林立し、3つの勢力が運営している。元々カジノ経営権をもっていたマカオ系に、国際入札が可能になった02年から参入してきた香港系とアメリカ系の会社だ。

いずれも莫大な資本のある大企業で、マカオの顔であるカジノホテルを動かして莫大な利益を挙げている。

そのカジノでプレイできるゲームには、大小、バカラ、ブラックジャック、カリビアンスタッド、ルーレット、ポーカー、クラップス、スロットなどがある。基本的なルールは世界中のカジノと大きな差はないが、マカオの特色は、カジノホテル自体のシステムにある。

それは、「カネを落とす者には露骨な特権が与えられる」ということだ。

特権とは、VIPとして扱われること。日本人でも某大企業の経営者が子会社から無担保で106億円を借りてまでカジノにハマっていた騒動があったが、彼も相当なVIPだったと言えるだろう。実際に彼が遊んでいたのも、カジノホテルのVIPルーム。

では、この特権を得るには、一体どうすればいいのだろうか。

「最初に両替する額が数百万円を超えると、勝手に(VIPカードを)渡されます。ひと晩で最低でも200~300万円ぐらい使えば、それぐらいで大丈夫ですよ」

VIP特権を所有する日本人実業家のT氏は、このように教えてくれた。カジノでVIPになるには、どうやら一般的にイメージされるような億単位のカネを注ぎ込む必要はないらしい。

まあ、そもそも数百万円という金額が、庶民にしてみれば決して少なくはない額ではあるが。このようなVIPに与えられる特権は、使う金額に応じてシルバー、ゴールド、ジェイドなどとランク分けされる。

しかも、一定期間に使用履歴がないと失効してしまう。逆を言えば、それほど頻繁にVIPたちは訪れているのだ。

前出の大企業経営者もカジノにハマっていた時期には、かなりの頻度で通っていたという。それも往復の飛行機代はカジノ持ちであったというのだから、VIPが、どれほどのカネを動かすのか容易に想像がつくであろう。
 

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