娯楽以外の"欲望"も満たしてしまう裏の顔!?

「飲む打つ買う」以外にも、別の"欲望"を満たしてくれる顔がマカオにはある。資金洗浄、つまりマネーロンダリング(以下、マネロン)だ。

中国の権力者たちがマカオを訪れる目的には、裏金をきれいにすることも含まれているのだ。

どんな方法を使っているのかといえば、本編でも紹介されているように、ノンネゴチップでのマネロンが用いられている。ノンネゴチップとは、換金できないチップのことで、それをカジノでプレイして勝つことで換金可能なキャッシュチップに換えてから現金化するのだ。

面倒なやり方に思えるが、国外持ち出し制限がある人民元をマネロンするには便利な方法なのである。特別行政区のマカオには本土からの人民元持ち出し限度額はない。この制度を使えば、汚職で手にしたカネであろうとも、「カジノで勝って手にしたカネ」にできる。

そうなれば香港ドルに両替して海外へ送金することもできるのだ。

最近では、さらなる裏ワザを使って、カジノ場のノンネゴチップを直で換金する闇ルートがあるとの噂もある。ここまでいくとマカオじゃなくてもよさそうだが、やはり大金を煙に巻くには、ここのカジノが最適なのだろう。

このような事情もあり、10年頃からマネロンを問題視する報道が出てきているが、現在も効果的な規制はかかっていない。

現在、わが国でも東京五輪開催に向けて、カジノを合法化しようという流れがあるが、日本が"悪の温床"となってしまうことだけは、避けてもらいたいものだ。

『自称義賊詐欺師(グリフター)アキラ』1・2巻 各¥600(税抜) 双葉社
 

 

 

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