トップに立つ人間にとって、必要なものとは一体何か。検証してゆくと極東アジアの近未来が見えてくる!

東アジア一帯が、戦乱の炎に包まれようとしている。

「導火線に火をつけたのが、この地区で覇権を握ろうとする習近平・中国です。習国家主席は、まず朴槿恵・韓国を籠絡。次いで、"反米のカリスマ"ことロシアのプーチン大統領とガッチリ握手することにも成功しました」(全国紙外報部デスク)

中国は、この新3国同盟をもとに東アジア一帯は言うまでもなく、あわよくばアメリカ一極支配体制に風穴を開けようと野心満々なのだ。

「一方、中国に斬り捨てられた北朝鮮は、中国と対峙する日本の安倍総理に拉致問題解決をエサにして急接近しています。金正恩第1書記もまた、国家の生き残りと悲願である朝鮮半島統一を目指して本格的にうごめきだしました」(前同)

東アジアの覇権を争う5か国5人の指導者安倍首相、習近平、プーチン、朴槿恵、金正恩。火花を散らす彼らのうち、最強の指導者は誰か、徹底比較してみよう。

まずは、「外交力」から。「現在、東アジアで激突しているのが安倍首相と習近平国家主席です。両者とも相手を封じ込めようと熾烈な外交戦争の真っただ中にあります」(外務省関係者)

習国家主席は、中国トップ就任(13年3月)以来、安倍政権の尖閣国有化と靖国参拝をヤリ玉に上げ、"軍国主義日本の復活"と世界にアピール。対日包囲網作りに邁進してきた。

「さらに、あろうことかオバマ大統領に"新型大国関係の構築"を持ち掛け、日本国防の根幹である日米関係に楔を打つ挙にまで出てきました」(前同)

一方、安倍首相は"地球儀俯瞰外交"を展開。頻繁にASEAN諸国やヨーロッパ、中南米などを歴訪している。

明確に中国を仮想敵ナンバーワンと規定したのか、対中包囲網作成に全力投球となった。

「行った先々で中国の横暴を訴え、日本シンパの国を増やしていきました。習主席も、同様に世界を行脚しましたが、これまで訪ねた国は23か国。対して安倍首相は、この9月には49か国に達します。短期間に、これだけのトップ外交を展開した首相はいません」(通信社外務省担当記者)

この攻勢もあり、世界の論調は日本寄りに傾きはじめた。

ベトナムと領有権を争う南シナ海西沙諸島で石油掘削などの不法行為を繰り返す中国に、多くの国々がノーを突きつけたのだ。

「5月のASEAN首脳会議では、参加国が一致して中国の行動に懸念を表明しました。また、ケリー米国務長官も"中国の攻撃的な行動を深く懸念している"と名指しでの非難までしています」(前同)

さすがに横暴国家といえども、南シナ海撤退を余儀なくされた。

「現在、習主席のハチャメチャ強硬外交は破綻し、中国孤立化の様相まで呈しています。習主席を追い詰めた安倍首相の次なる狙いは、これまでの日米欧vs中ロの構図から中国とロシアを分断。日米欧ロvs中国に変えることに全精力を注ぐと見られています」(自民党外交部会関係者)

そのプーチン大統領だが、「つい数か月前までは、世界の指導者の多くが彼を"外交戦略の天才"と持ち上げていました。たとえば、ジュリアーニ・元ニューヨーク市長は"(プーチン大統領の決断力を評して)これぞリーダーだ"と、称賛するほどでした」(在米の日本人特派員)

だが、ウクライナ問題に加え、7月にマレーシア航空のMH17便が撃墜されるや、潮目が急変する。

「これでロシアは国際社会から一気に孤立。全世界が非難の大合唱をしています」(前同)

主要8か国首脳会議(G8)から締め出されたうえ、11月に予定されている主要20か国・地域(G20)首脳会議への出席も決められない状態で、大統領の地位さえ危うくなっている。

策士策に溺れた結果、いまや身動一つ取れない状態に陥ってしまったようだ。

このプーチン大統領と同様、朴槿恵大統領と金正恩第1書記の2人も、"落ち目の三度笠"状態にある。

「朴大統領は就任以来、反日一辺倒外交に終始。行き着いた先が中国への隷属(支配されること)です。これには、韓国の親米保守派が"中国に飲み込まれる"と危機感をいっぱいにしています」(在ソウルの日本人ジャーナリスト)

今や朴韓国が「中国の使い走り」と米国から揶揄される一方、北朝鮮は、

「親中派で同国ナンバー2の張成沢を処刑粛清(13年12月)して以来、後ろ盾だった中国から見放され、今後、金正恩は日朝交渉に活路を見出していく以外、国際社会で生き延びる方法はありません。とはいえ、"北朝鮮は信頼できる相手ではない"のが世界の定説。その前途は黒雲だらけです」(同)

北朝鮮お得意の瀬戸際外交にも、ついに限界が来ているのだ。

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